宣戦布告４０ ページ41
女が刀を振るう度、何体もの喰種が斃れて行く。
剣の軌道は鋭く速く、それでいて相手に一切の予測を許さない。
低い位置から繰り出される斬撃、かと思えば死角から斜めに伸びる剣先。
仲間の捜査官は既に全員物言わぬ骸と化している中、Aは血で赤く光る刀を振るい喰種を完膚無きまでに弑していた。
旧多「…ははっ」
知らず知らず見蕩れてしまい、乾いた笑みが漏れる。
化け物の子は化け物と言うことか。
Aという三等捜査官は間違い無く有馬貴将と大差のない無双ぶりで、血は繋がっていなくとも《親子》なんですねぇ…と妙に感慨深い気持ちが湧いた。
だが、一つだけ引っかかる。
喰種「ひぃぃぃぃ！！！」
『…』
ザンッ！
旧多「ん…？」
先程から見ていて思う。
Aが放つ斬撃の起点が、全体的に《低い》気がするのだ。
それに和修が《庭》で子供らに植え付ける剣術の流派は一対一を最得手としている。
しかしAの今の戦い方を見ていると、どうもあの剣捌きには《一対多数》を得手としているような雰囲気がある。
あの独特な刀身の位置の低さも和修ブランドの其れではない。
有馬貴将による伝導の成果なのだろうか。
いや、キッショーさんも結局《庭》の出。
あいつも基本は敵を一体と仮定した戦闘がベースだ。
では何故、その子供であり《庭》で訓練を受けたはずのAがそれを引き継いでいないのか…
旧多「…ま、気のせいか」
考えてもキリがないので、僕はそっとドアから離れて外に向かう。
兎にも角にも、あの様子ではAの勝ちだろう。
有馬の苗字は伊達ではない。
上層で囁かれるAへの期待も、飾りではない。
些か未熟な面はあれど着々と進歩している部下を見て、柄にもなくオヤゴコロにも似た歯痒い安堵感が芽生えた。
その後、一時間と経たず戦闘は終了し…僕ら捜査官は引き揚げ許可を頂く。
旧多「あ、Aさ〜…」
本局に戻る途中、僕は一度だけAを見かけたが…
才子「うわぁぁぁぁぁん…し、しらぎん…！！！」
六月「…っ、うぅ…！！！」
瓜江「…A無駄だ、不知は…もう…」
『嘘でしょ不知！！！ねえ早く起きて、返事してよ！不知！！ねぇっ！！！！！』
旧多「…ご愁傷様」
残念ながら、話しかけられる状況ではなかった。
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みきざわ(プロフ) - あずまさん» 鼻血どんどん出しましょう！(笑)閲読有難うございます〜！ (2019年1月23日 19時) (
レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
あずま(プロフ) - あぁ…やばい、、、鼻血でるぅ(;´Д`)ﾊｧﾊｧ (2019年1月23日 15時) (レス) id: 97c5686003 (このIDを非表示/違反報告)
みきざわ(プロフ) - えぬ=)さん» ニムラの魅力、少しでもお伝え出来ているのなら幸いです！尊敬だなんてそんな、勿体ない(笑) 嬉しいお言葉、恐縮です！ (2019年1月21日 5時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ=)(プロフ) - ああ……溶けちゃいそうです……← 本当に最高です……前作からずっと思ってたけど最高です……尊敬してます……!何故そんなににむにむの魅力を素晴らしいクオリティで書けるのか……尊敬してます(二回目) (2019年1月21日 0時) (レス) id: ae2a3cb03d (このIDを非表示/違反報告)
みきざわ(プロフ) - ハニーさん» 謹んで新年のお慶びを申し上げます！2019年がハニー様の良き年になる事を願っております... (2019年1月1日 0時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みきざわ | 作成日時：2018年12月16日 18時
