宣戦布告32 ページ33
だって今日は。
『ふっふっふ…』
私は不敵な笑みを漏らし、言う。
旧多「?」
『初ボーナス貰ったんです、今日!』
──────上官の顔が凍り付いた。
旧多「は…初、ボーナス…?」
『はい、だから財布は問題無しです。店員さんすみませーん!』
店員「只今お伺いします」
どうしてか絶句してしまった上官を他所にささっと注文をし、料理を待つ。
旧多一等は数分ほど何やら考えていたが、やがて徐に言い出した。
旧多「…やっぱり奢り、無しで結構です」
『えぇ!?』
何言ってんのこの人!
ビックリしすぎてお洒落な店の雰囲気ぶち壊しな変な声が出た。
『な、何でいきなり…』
食い気味に聞くと旧多一等は「あのねぇ」と何処かおじさん感漂う口調になる。
旧多「初任給とか初ボーナスとかは普通ね、家族に使うもんですよ!若しくは貯金」
『え、でも使い道は個人の自ゆ…』
旧多「もしキッショーさんが、愛する娘が初ボーナスを自分じゃなく僕に使ったなんて知ったら…どんな気持ちになるか分かりません?」
『別に何とも思わないのでは…』
旧多「凹みますよあの人!意外と変なとこ気弱なんだから」
旧多「ともかくA三等は今日奢らなくて宜しい!」
『…はぁーい…』
完全論破、というか無理やり言いくるめられ、不承不承私が頷いたところでタイミング良く料理が運ばれて来た。
首から丁寧にマフラーを取り、二人合わせて「『いただきます』」。
『…なら、他に何か要求無いんですか?』
とろけるような味わいのトレンチトーストを頬張りながら聞くと、旧多一等はうーんと低く唸って視線を巡らせた。
旧多「そーだなぁ…僕こう見えて物欲あんまり無いんですよ」
『そこを何とか!』
此処で何も強請られないと、私はオークション戦での借りを返しそびれてしまう。
それはあんまりな気がした。
『何でも良いですから!このままだと私、死ぬまで旧多一等に縛られる事に…!』
旧多「その言い方やめてくれません?変な誤解生むんで」
必死こいて頭を下げていると。
旧多「あ!では一つA三等にお願いを…」
『何でしょうッ!?』
旧多「…その“旧多一等”っていうクソ他人行儀な呼び方、やめて貰いましょうか」
旧多「今後は“旧多さん”って呼んで下さい♡」
『…いや、あの…どういう事ですか!?』
135人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みきざわ(プロフ) - あずまさん» 鼻血どんどん出しましょう!(笑)閲読有難うございます〜! (2019年1月23日 19時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
あずま(プロフ) - あぁ…やばい、、、鼻血でるぅ(;´Д`)ハァハァ (2019年1月23日 15時) (レス) id: 97c5686003 (このIDを非表示/違反報告)
みきざわ(プロフ) - えぬ=)さん» ニムラの魅力、少しでもお伝え出来ているのなら幸いです!尊敬だなんてそんな、勿体ない(笑) 嬉しいお言葉、恐縮です! (2019年1月21日 5時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ=)(プロフ) - ああ……溶けちゃいそうです……← 本当に最高です……前作からずっと思ってたけど最高です……尊敬してます……!何故そんなににむにむの魅力を素晴らしいクオリティで書けるのか……尊敬してます(二回目) (2019年1月21日 0時) (レス) id: ae2a3cb03d (このIDを非表示/違反報告)
みきざわ(プロフ) - ハニーさん» 謹んで新年のお慶びを申し上げます!2019年がハニー様の良き年になる事を願っております... (2019年1月1日 0時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みきざわ | 作成日時:2018年12月16日 18時