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宗太「今日の首尾は如何でしたか？」
『何とか資料提出は間に合いました、でも修理出したクインケが破損し過ぎてもうダメみたいで…』
宗太「あぁ、根元から折れたとか言ってましたからね。ぶふっ…流石Aです」
他愛無い会話を交えながら、帰り道を半分まで来たところで。
『あの、宗太さん』
宗太「はい？」
私はふと湧いた疑問を口にした。
『どうして宗太さんは普段手袋付けてるのに…私に触る時だけ取るんですか？』
それは前々から少しだけ気になっていた事。
宗太さんは付き合ってからというもの私と手を繋ぐ時、頭を撫でてくれる時、抱き締めてくれる時…ことあるボディタッチの際、必ず手袋を剥ぐようになったのだ。
素手で触れてくれるのは滅茶苦茶嬉しい。その…特別感があって。
でも何か理由があったりするのかな、とも思ってみたりするのだ。
宗太さんは暫し顎下に手を当ててうーんと唸り、何でもないように口を開く。
宗太「自分でも不思議なんですよ。僕って意外と潔癖でね？前までは人間になんて素手で触れる訳がないって思ってたし」
でも、と前置いて私の手を握る力を少しだけ強める宗太さん。
二、三度存在を確かめるように握っては力を弱め、を繰り返し…微笑んだ。
おどけた感じもからかいの色もない、柔らかな表情で。
宗太「Aだけは、手袋無しで…ちゃんと自分の肌で触れたいって思うんです」
宗太「おかしいですかね？」
『…！』
かあっと顔が熱くなり、心臓が締め付けられるような感覚に襲われる。
宗太さん、何で貴方は…そんな殺し文句をスムーズに放てるんですか。
だけは、なんて。
そんな特別感を感じてしまうような表現…ずるい。
宗太「あれぇ？ひょっとして貴女、照れてたり？」
『かっ、顔見ないでっ…！』
情けないぐらい真っ赤だろう顔を必死に俯かせ、私は手を繋がれたまま悶絶する。
宗太「Aのそーゆーところ、ホント可愛いですよねぇ」
かと思うと間髪入れずA殺しの台詞第二弾が投下。
『…っ』
キャパオーバーを起こし赤面したまま沈黙した私を見て、宗太さんは腹が立つぐらいの余裕を湛えながら盛大に噴き出したのだった。
宗太「ぶふっ！やっぱ飽きないなぁAは」
『…宗太さん、たまに性格悪くないですか』
宗太「可愛い子ほど虐めたくなるんです」
『かっ、か、可愛いとか簡単に言わないで下さい！』
宗太「事実なんだからしょうがないでしょう？」
『…』
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みきざわ(プロフ) - イヴ「和」○かき氷さん» 好き放題書かせて頂いている次第ですが、面白いと言っていただけるとは幸せの極み.......！ありがとうございます！イヴさんのご感想に毎度励まされております！ (2019年8月22日 17時) (
レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ「和」○かき氷(プロフ) - またまたこんにちは！！こちらの作品もめちゃくちゃ面白かったです！！やっぱみきざわ様の書く旧多君は最っ高ですね！！また鼻血出そうでしたよ…素敵な作品ありがとうございました！！！ (2019年8月22日 9時) (レス) id: 4e47db8a66 (このIDを非表示/違反報告)
みきざわ(プロフ) - ハルさん» なかなか面白くする文体に慣れておらず四苦八苦しております（笑）表現技法とは難しいものです... (2019年4月29日 21時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 短編もおもしろいし、最高ですね！みきざわさまの作品のにむらは相変わらず最高です！！ (2019年4月29日 20時) (レス) id: d53301ec48 (このIDを非表示/違反報告)
みきざわ(プロフ) - 優衣さん» ファンの少なさ、私も語れる人がたいへん少ない現状を憂いている次第です.......。お読み下さり本当に有難うございます！ (2019年4月5日 5時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みきざわ | 作成日時：2018年11月7日 6時
