Disaster game【黒バスホラー】

Plan.24 ページ26

「おい…マジで笑えねぇぞ…」


「…っ！」


部屋の出口は犬の後ろにある。

つまり、逃げ道がない。


「みっ、宮地さん！いつもみたいに轢いて下さいよ！！」


「いつも本当に轢いてるわけじゃねぇだろ！刺すぞ！」


2人のやり取りを聞いて、さっきの部屋で手に取ったメスをまだ握っていることに気づいた。


「宮地さん、コレどうぞ。さっきの部屋で見つけました」


「なんでこのタイミングでメス！？」


「出来れば高尾じゃなくてあの犬を刺してもらいたいんですが」


「出来るか！！」


こんな状況でそんなことは言ってられないのだよ。

早くしなければ奴らが襲ってくる。


「ガルルル……」


一斉に威嚇し始めた。


いよいよ本格的にマズイかもしれない。



「ガルルルッ！！ワンッ！！！」



手前の1匹が俺たちに襲いかかって来た。

奴の鋭い牙がよく見えるほど近い距離にいる。

何もかもがスローモーションに見える中で、俺は硬く目を瞑った。




「…………？」




しばらく経っても痛みは襲ってこなかった。


恐る恐る目を開ける。


俺たちに襲いかかって来た犬は地面に倒れていた。


よく見ると頭には銀色の物が刺さっていた。


まさか…


「宮地さん…」


「無事か？お前ら」


こめかみから冷や汗を流した宮地さんが俯きながらそう言う。


「宮地、お前が倒したのか？」


「あぁ、緑間から貰ったメスでな」


「さすが宮地さん！」


「ガルルルルルルッ！！！」


「茶番は後だ。まずはこいつらを倒すぞ！人間のアンデッドと同じく、弱点は頭のはずだ。全員頭を狙え！」


「「「「おう！！」」」」


木村さんは近くにあった椅子を持って近くの2匹に投げる。

大坪さんは転がっていた空き瓶、宮地さんはさっきのメスを持っている。

俺の近くには鉄パイプが転がっていた。


「「ワンッ！！ワンッ！」」


武器を探す時間がかかり過ぎたのか犬が一斉に襲って来たが、高尾がまだ武器を持っていない。

現状、高尾が一番距離が犬に近い。

このままではアイツが…！！


「高尾！これを使うのだよ！」


俺は咄嗟に鉄パイプを投げていた。

それを受け取る高尾。


「でも…！真ちゃんは！？」


「俺はどうにでもなるのだよ！早くやれ！！」


俺は人事を尽くす、そう言うと高尾は笑った。


すぐに俺は隣にあった機械を手に取る。


多少重いが、問題ない。


それを持ってシュートモーションに入り、奥の犬に向かって放り投げた。

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