Disaster game【黒バスホラー】

Plan.21 ページ23

《ザザッ……》



正面のモニターが付いて人の影が浮かんだ。

顔はよくわからない。



《おはよう、A》


『…誰？』


《おや、冷静ですねえ。記憶を取り戻したからですか？とりあえず、ゲームマスターとでも名乗っておきましょう》


『そう…ここはどこ？』


《極秘研究所ハイブの一室です》


『…ハイブはバイオハザードが起こったせいでもう廃墟よ。冗談も大概にして』


《私の能力を使えばそれが簡単にワープ出来てしまうんですよ。ところで目覚めてすぐに申し訳ないですが、貴女にはゲームに参加していただきます》


『(能力ね…)ゲーム？』


《生きるか死ぬかのゲームです。簡単に言えば生き残ればいいだけ。私の創り出したハイブでは"あの時"の様にバイオハザードが起こっています。ここのアンデッド達を全て排除してください。もしそれが出来ずに貴女が死んでしまえば私の勝ちです》


『戦闘は得意分野なの。見え透いた勝負はするもんじゃないわ』


《参加者が貴女だけだとは言ってません》


『まさか一般市民がいるってわけ？』


《ええ、"彼ら"も私の能力でこちらへ連れて来ました。まぁ"彼ら"が来る前にも何人かの参加者が居ましたが、君を起こす前に全員死亡したのでね》


『どうして私を最初から参加させなかったの！？それなら誰も死なずに済むじゃない！！』


《貴女が始めから参加したら、私が退屈になるでしょう？だから"彼ら"が貴女を目覚めさせるシナリオをプログラムに組んだんですよ》


信じられない。

私は今までいろんな人が実験で死ぬのを見てきた。

だからこそもう見たくもないし、聞きたくもない。

助けられるなら、助けたい。

でもそれを退屈だなんて言う彼は狂ってる。

こんな奴と話したくもないが、話さなければ先に進むことが出来ない。

こんな馬鹿げたゲームはさっさと終わらせよう。


『…それで"彼ら"って？』


やっと言葉を発すると、モニターが切り替わって青い服を来た背の高い男の子が5人モニタールームに居るのが映った。


『全員で5人？』


《いえ、30人程です。貴女の勝つ条件は、アンデッドを全て倒し、彼らを1人も死なせずに生き残ることです。ほら、彼らがドアを解除してくれますよ。検討を祈ります》


モニターが途切れたと思ったら、ガシャンと音を立てて頑丈なドアが開いた。


ーーーどこの誰かなんてわからないけど、絶対に死なせない。必ず守って見せる。


心にそう誓い、私は部屋を後にした。

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