笑 門 来 福【HQ】【山口忠】【月島蛍】

思い出す、過去。 ページ21

走る。はしる。どこまでも走った。



途中で足が絡まりコケた。


どくどくと足から血が流れる。


ああ、痛い。でも、生きているんだな。


そう思ってしまう私は相当やばい。


「…グッチー！！」


『え、山口くん…』


「足！怪我してる！！手当しないと！！」


『あ、うん、いや、大丈夫。ありがと』ﾆｺ


私がお礼を言うと少しだけ山口くんの顔が曇った。


「辛いなら、笑わなくていいんだよ？」


『な、に言ってるの…、あはは、やめてよ。』


「僕は…何も出来ないかもしれないけど！！
それでも！！話聞くくらいはできるし！！


溝口さんの、グッチー同盟だし！！
だから！だから！！頼ってよ。」


こんなに大きな声を出す山口くんは知らない。


でも、母と父以外にこんなに私のことを考えてくれる人がいたなんて…


全てを話してもいいかもしれない。


そう思ってしまった。


『…ありがと。グッチー。話すよ。全部話す。


だから、聞いてくれますか？』


きっと今、私はちゃんと笑えてない。


でも、それも彼の前だけならいいかもしれない。


「もちろんだよ！！」


君のように笑える未来が来るといいな。

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