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真冬は私の言葉に数秒間驚いた表情をすると、また再び不機嫌な表情を見せた。
私の発言に怒ったのか、態度に怒っているのかは分からないが、もしかしたら私の好感度が下がったのかもしれない。

「それは、水上さんとの思い出のことではないですよね?」

『だとしたら何なの』

「怒ります」

それは、昔の私の為なのか、今の昔の為なのか、それとも少しずつ記憶を取り戻してきていて、楽しい記憶しかないから怒っているのか、全然検討がつかないけど、私の発言で怒っているのは確かだった。

『忘れたならその程度の記憶ってことでしょ?』

嘲笑うように言ったら、真冬の瞳が大きく揺れたのが分かった。
それが悲しみなのか、図星なのか、私では分からないけど、きっと、どっちにしても真冬だったら私のことを怒るだろう。

「・・・・・・僕・・・・・・だって・・・・・・」

ボソボソと呟いたあと、真冬の拳がギュッと力強く握られるのが分かった。

『・・・僕だって、何?』

「っ・・・・・・僕だって忘れたくて大切な思い出たちを忘れたわけではありません!」

真冬は怒りながら、ボロボロと涙を流して話していた。
そのせいでピタッと責めるのをやめてしまう。
真冬は荒々しく涙を手の甲で拭うと、私のことを見た。

「僕だって・・・忘れたくなかったですよ・・・皆さんのことも・・・もしかしたら・・・友達・・・いや・・・それ以上の存在だったかもしれない・・・水上さんの存在だって・・・だから・・・」

拭ったのにまた出てきそうになっている真冬の涙に、これは本心だと実感させられる。
私は何も言わずに真冬の言葉を待った。

「・・・だから!思い出せるものは思い出したいんですよ!こんなことがあったんだって!水上さんとの思い出だって、その大切な思い出の中に入ってます!なのに・・・思い出さなくてもいいなんて・・・言わないでください・・・」

必死に涙を堪えて言う真冬に、私の方が泣きそうになってしまう。
私はバレないように服の裾を握って涙を堪える。
もしもう嫌われるなら、今日でこれは終わりだから、それまで涙は出ないで。

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作品ジャンル:恋愛
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あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 桜鈴(みすず)さん» ありがとうございます。私は東京なのでいつ感染するのかとビクビクしていましたが、桜鈴さんのコメントを見て頑張ろうと思いました。桜鈴さんもコロナに負けずに頑張りましょう。 (2020年4月13日 11時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴(みすず) - これからも頑張って下さい。コロナウィルスに負けないよう、群馬から応援し続けていますね。 (2020年4月13日 7時) (レス) id: 3e552d64a0 (このIDを非表示/違反報告)
あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 桜鈴(みすず)さん» コメントありがとうござます。私もこんな物語があったらと思って書いていることが多いので、同じ気持ちの方がいてくれて嬉しいです。私の作品を見て泣いてくれてありがとうございます。 (2020年4月12日 11時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴(みすず) - 何度か、泣いてしまいました。こんな物語があったらよかったのに。 (2020年4月11日 23時) (レス) id: 3e552d64a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あづの ひみ(元朝日菜薔薇) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/AdAsnhmp/  
作成日時:2020年1月18日 15時

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