。 ページ21
坂田になんで私がいるのか大まかに説明すると、よく分かっていなさそうだったため、真冬の話を聞きに来たと簡潔に言うと、あーー!!と言ってニコニコとしながら頷いてくれた。
「それで?なんでAちゃんはまふのことを聞きたいん?」
一ノ瀬先輩と同じことを聞く坂田。
私は坂田から目をそらして言葉を濁らせる。
言わないと話してもらえないなら話すけど、これを話すのは初めてで、もし受け入れてもらえなかったら、なんていう不安が頭をよぎった。
【一人じゃないで】
坂田が、優しく私に言ってくれた言葉。
それに背中をおしてもらい、私はゆっくりと話始めた。
真冬と私のことについて。
『私と真冬が初めて会ったのは小学校の高学年の時なんだけど・・・』
私は思い出すように目をつぶって話した。
〜回想〜
1年から4年までの間、ずっと一人だった。
幼稚園、保育園が一緒の子達の仲が良くて、最初はそのせいだって思ってた。
でも、4年生になると同時にやっぱり孤立してると不安になった。
だけど話しかけてくれる人も、仲のいい人もいなくて、どうすればいいのか分からなくて、私はずっと一人で本を読んで過ごしていた。
5年生に上がると、交通事故で両親が他界した。
小説の内容でも、そういうシーンがあるものがたまにあったから、もう戻ってこないということも分かってた。
でも私は泣かなかった。
だって、両親は祖父母に私のことを任せっきりで会った回数も少なかったから。
「事故で亡くなってしまうなんて・・・まだこんなに小さいのに・・・」
祖父母はそういっていた。
私も、たしかに悲しかったし、寂しかった。
学校でも一人だし、小学校は一人確定だなんて思っていた。
そんなある日、昼休みのとき、また本を読もうとした時のことだった。
「・・・あ・・・あの・・・いつも本読んでるけど・・・何読んでるの?」
そう言って、初めて話しかけてくれたのは、男の子だった。
その男の子が、真冬だった。
140人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 桜鈴(みすず)さん» ありがとうございます。私は東京なのでいつ感染するのかとビクビクしていましたが、桜鈴さんのコメントを見て頑張ろうと思いました。桜鈴さんもコロナに負けずに頑張りましょう。 (2020年4月13日 11時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴(みすず) - これからも頑張って下さい。コロナウィルスに負けないよう、群馬から応援し続けていますね。 (2020年4月13日 7時) (レス) id: 3e552d64a0 (このIDを非表示/違反報告)
あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 桜鈴(みすず)さん» コメントありがとうござます。私もこんな物語があったらと思って書いていることが多いので、同じ気持ちの方がいてくれて嬉しいです。私の作品を見て泣いてくれてありがとうございます。 (2020年4月12日 11時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴(みすず) - 何度か、泣いてしまいました。こんな物語があったらよかったのに。 (2020年4月11日 23時) (レス) id: 3e552d64a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あづの ひみ(元朝日菜薔薇) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/AdAsnhmp/
作成日時:2020年1月18日 15時