3章 やっぱり ページ14
朝、いつもよりも早く起きられて清々しい気分でいると、見知らぬベッドの上にいることに気付いて、少し驚いた。
でも、よくよく考えると一ノ瀬先輩の家に来て、勉強会をして泊まったということを思いだし、恥ずかしい思いをして頭を抱えているところをセンラさんに見られるという変な朝を迎えてしまった私は、今とても消えたい思いでいっぱいになっていた。
お茶を入れてくれた一ノ瀬先輩が来て、驚いてお茶をこぼしそうになっていた。
でも私はそんなことを考えられる状況ではなく、ずっとどうしようかと頭をグルグルと回転させていた。
「・・・どういう状況なのこれ」
『埋まりたい・・・』
「なんかよく分かんないけど埋まんないで?」
苦笑しながら言われ、私はそれどころじゃないと訴えかけるように一ノ瀬先輩を見た。
すると、ドタドタという音が上から聞こえてきて一ノ瀬先輩と顔を見合わせる。
どんどんと近付いてくる大きな足音が、急にピタリと止まったと思うと、リビングの扉がバンッと勢いよく開いた。
立っていたのは首を押さえている相川。
「・・・首が痛いです」
「まふ君は机で寝てたからなぁ・・・そーなるわ」
センラさんが読んでいた本で、ソファで寝ている坂田に軽く叩きながらそう言った。
坂田は寝返りはよく打つけど全然起きる気配がなくて、大変だな、なんて他人事のように思いながら見ていた。
『あ・・・そういえば浦田先輩と志麻くんは?』
「浦田くんは忘れ物したとかなんとかで、さっき帰った。多分戻ってくるとは思う。志麻くんはまだ寝てるんでしょ。きっと」
「さかたんが寝てますしね」
『どんな理由だよ・・・』
お茶を手に取り一口飲む。
ホッとするような感じの安心感と、温かさが体の中に入っていく。
さて、今日は何をするんだろうか。
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あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 桜鈴(みすず)さん» ありがとうございます。私は東京なのでいつ感染するのかとビクビクしていましたが、桜鈴さんのコメントを見て頑張ろうと思いました。桜鈴さんもコロナに負けずに頑張りましょう。 (2020年4月13日 11時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴(みすず) - これからも頑張って下さい。コロナウィルスに負けないよう、群馬から応援し続けていますね。 (2020年4月13日 7時) (レス) id: 3e552d64a0 (このIDを非表示/違反報告)
あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 桜鈴(みすず)さん» コメントありがとうござます。私もこんな物語があったらと思って書いていることが多いので、同じ気持ちの方がいてくれて嬉しいです。私の作品を見て泣いてくれてありがとうございます。 (2020年4月12日 11時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴(みすず) - 何度か、泣いてしまいました。こんな物語があったらよかったのに。 (2020年4月11日 23時) (レス) id: 3e552d64a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あづの ひみ(元朝日菜薔薇) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/AdAsnhmp/
作成日時:2020年1月18日 15時