DICENo.0【iris】Ⅰ (ページ30)

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『……』

収録とかなかったらこんなに暇なんだな

ご飯はあまり食べていない。

いや、食べられない。

食欲が湧かず、食べ物が喉を通らない。

とりあえずこのまま何も食べないと死んでしまうので水だけでも飲むようにしてる。

大学も、もう1週間も行っていない

兎に角、何をする気も起きないのだ。

でも、そろそろ大学行かないと……

歯を磨き

顔を洗い

髪をセットし

服を着替え

大学へ行く準備をし

家を出た。

り｢あっ、A…！｣

『りうら、おはよ』

手を振ると、何故か怒ったような表情で

り｢おはようじゃなくてさぁ、めっちゃ心配したんだよ？
……1週間も大学来ないし、連絡も返してくれないし……｣

『ごめんね、何もやる気が起きなくてさ、』

り｢ご飯ちゃんと食べてないでしょ？

前より痩せてる。今日あにきに料理頼むから！｣

『うん、水しか飲んでない…

あと、ゆうくんに迷惑かかっちゃうしいいよ』

目の前で吐き出しちゃったりしたら失礼だし。

り｢水！？もうあにきに頼む！決定！｣

『……分かったよ〜…』

ピンポーン

インターホンがなり、確認してみると予想通りぴよにきの2人だった。

『はーい…鍵空いてるから入ってきていいよ』

｢お邪魔します｣

悠｢A、ご飯持ってきたで｣

り｢俺らと一緒に食べよ！｣

優しく声をかけてくれる2人。

『うん、ありがと！』

｢『いただきます』｣

り｢ん！！やっぱあにきのご飯めっちゃ美味しい〜…｣

悠｢嬉しいわ！｣

口に入れると、大好きなあにきのご飯の味。

飲み込めるかもしれない。

そう思ったが、やはり飲み込むことはできず

『……っ、…ｺﾞﾎｯｹﾞﾎｯ…はｯ、はぁｯ、』

私、ほんと最低。

作ってくれた人の目の前で吐くとか、終わってる。

怒られるだろうか。嫌われるだろうか。殴られるだろうか。

『ゆうくｯ…、ごめ、なｯ……』

悠｢A！大丈夫か！？｣

予想と違った反応に、内心驚く。

『っ…う、ん……』

り｢ゆっくり呼吸ね？｣

悠｢無理して食べんでいいんに……｣

数週間後。

『ゆうくん、この間はほんとにごめんね…』

悠｢全然大丈夫やで！Aが元気になってよかったわ…｣

そう、私はご飯を少しずつ食べられるようになった。

元気も少しとりもどした。

はやくリスナーさんたちに会いたいな