紫さんの妹【iris】 (ページ28)

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26_バレンタイン！ページ28

「……」

何故か、朝からずっとみんなそわそわしている。

『……なにそわそわしてるの』

ほ「いや……ねぇ？」

初「察しろ！！」

『えぇ……』

な「A、なんか俺に渡すものない？」

渡すもの……

『あ〜！香水返すの忘れてた！！！』

な「そうじゃない……」

り「甘い物食べたいな〜」

『りうくん甘い物食べたいの？』

今日、丁度持ってきてたんだよね〜、と、袋からチョコを取り出す。

『……私の手作りでいいなら…あげます…、！』

り「えっ、もしかして…バレンタインのチョコ！？」

『うん…！あ、でも変な味するかもだし、…』

い「なんやあいつら。カップルかよ」

悠「……俺も貰いたかった…」

『あっ、みんなのぶんも持ってきてるよ！』

そう言って、全員分のチョコを取り出す。

ほ「さっきまでのくだりはなんだったんだ」

な「Aのチョコ……ちなみにこれ本命？」

『本命はもうあげた』

初「嘘やろ…！？おいA！本命は誰にあげたんや！男やったらお兄ちゃん許さへんで」

『萌音にあげたの！』

い「……俺のは本命じゃないん？」

しゅん、と落ち込んでいる様子。

『ちゃ、ちゃんといふくんも本命だから！ね！！』

い「やったー！Aしか勝たん！！」

いふくんがぎゅ、と抱きついてきた

『いふくん、苦しい…』

頑張って苦しさに耐えていると、突然りうくんの方に引き寄せられた。

り「俺のももちろん本命だよね？」

耳元で囁かれ、びくっと反応してしまう。

『ぅあっ、……本命です…』

り「ははっ、やっぱA可愛い〜(笑)」

『うぅ……もう知りません…！』

りうくんの腕から抜け出し、ゆうくんの隣に座る。

そして、耳元で小声で囁いた。

『もう1つチョコあまっちゃったから、ゆうくんにあげるね』

ポケットからチョコを取りだし、ゆうくんの手に握らせた。

悠「！？……ありがとな！」

少し耳が赤いゆうくん。

可愛い！！！

悠「お返し期待しとってな」

『ふふっ、楽しみ！……手作りがいいなぁ〜』

悠「もちろん手作りやで！」

『えぇ！ゆうくんだいすき……』

初「僕からのお返しはほっぺにキスだ！！」

『遠慮します』

い「じゃあ俺は唇」

『…………少しだけなら』

初「なんで！？！？」