紫さんの妹【iris】 (ページ26)

今日:3 hit、昨日:34 hit、合計:12,091 hit

24_告白ページ26

｢俺と付き合ってくださいっ！｣

『……へっ、？』

数分前に屋上に呼び出され、来たはいいものの

急に告白とか聞いてません

『あぅ、…ぇ、っと…』

どうしよう……あんまり関わったことないし、

『えっと、私のこと、ちゃんと分かってます？好みとか、苦手なものとか……』

｢ぁ、う、うう、うん！！｣

『じゃあ、私の好きなものは？』

｢……甘いもの…？｣

まぁこれは誰にでも言ってるし

『……んじゃ、私の苦手なものは？』

｢ピーマン、とうもろこしとか？｣

『え』

怖いよこの人。萌音にしか言ったことないのに

『……なんで知ってるの…？』

｢そりゃあいっつも有栖さんのこと見てるからだよ。授業中も、昼休みも、登校のときも下校のときもずっとずっとずっとずーっと｣

普通のことのように微笑みながら言ってくる。

そのことに恐怖を覚え、足が震える。

『ぇ、…いや、』

｢ねぇ…俺、こんなに有栖さんのことが好きなの。……有栖さんも俺の事……好きだよね？｣

肩を掴まれ、気持ち悪いという感情が込み上げてくる。

『ゃ、ゃめっ、』

萌｢A〜！……あれ｣

そのとき、屋上の扉が勢いよく開いて、萌音が入ってきた。

『もっ、萌音…！たすけ、』

｢あっれー萌音さんじゃん。｣

萌｢……ねぇ。お前なにやってんの？｣

さっきまでほわほわしてた萌音だが、一気に雰囲気がどす黒い物へと変わる。

｢えっ、俺はただ、両思いな有栖さんと…｣

私の肩にあった男の手を振り払い、胸ぐらを掴む。

萌｢ゴミの分際でAに触ってんじゃねぇよ。可愛い可愛い女神のAが穢れるだろ？｣

｢ひっ、…でっ、でも、両思いだよね！？｣

ぶんぶんと首を横に振ると、萌音がクスッと笑った。

萌｢ほら、両思いじゃないだって。(笑)

てかお前、私ら…っていうかAのことつけてただろ？ストーカーみたいな気持ち悪いことしやがって！！｣

そしてなんと

男の顔面に強烈なビンタをお見舞した。

｢ぅごっ！？｣

萌｢よし、A。お兄さんに言いつけよっか｣

『うん……！』

私は萌音と手を繋ぎ、屋上を後にした。

『ってことがあったの』

初｢よしそいつ潰す。あと、萌音さんにはちゃんとお礼言った？｣

『うん。あと、いっぱいぎゅーってした』

悠｢羨ましい…｣

『あっ、ゆうくんもする？ぎゅーっ！』

悠｢……ふふっ、(笑)可愛いな、ほんと｣

抱きしめ返してくれるし、頭も撫でてくれる。

さすがイケメン