寝室(1) ページ14
風呂に入り、案の定家には戻れなかったので引き続きあろまほっとさんの服を借り、おやすみなさいとえおえおさんに声をかけ、寝室へと入った。もうなんだかヘトヘトだ。
えおえおさんは確実に何かに気づいているだろうけど、私たちの口から、というよりはあろまほっとさんの口から聞けるのを待っているのだろう。
とても仲の良い友人だったみたいだから、隠し事とか、そういうのが嫌なのかもしれない。そうだとしても、あろまほっとさんが人間に戻れない限りはえおえおさんに打ち明けることも、そもそも話し合いすらできない。
布団の間に潜り込む。あろまほっとさんが頭の横で丸まった気配がして、頭を擦り付けるとどこかへと行ってしまった。
翌朝、アラームの音で目を覚ます。異様に暑くなっている布団の中で伸びをすると、背中に何かがぶつかった。何か置きっぱにしてたかな、と思って後ろを振り返ると。
人型で猫耳尻尾を生やして私の足にもたれかかるように眠るあろまほっとさんと、猫のあろまほっとさんを触ってて寝てしまったのかえおえおさんが上半身だけをベッドに乗り出して寝ていた。なんだこの状況。
足を動かすとあろまほっとさんがまるで猫の時みたいに頭を引っ付けてきたり、爪を出すような仕草で私の足を揉む。密着度がやけにこっぱずかしくて更に動かすも、引っ付いてくる力が強くなるだけで逆効果だった。
しかしどうして人型に。あろまほっとさん、と小さく声をかけて揺すって起こそうとその肩に触れると、ジワリと湿っている。それが汗であることに気づく。三人引っ付いた状態で、しかもあろまほっとさんは毛皮を着て、さらに布団の中に潜っていたみたいだから。それでか、と納得する。
なかなか起きないので、えおえおさんが起きた時にバレないようにとあろまほっとさんに布団をしっかりと被せた。えおえおさんから起こそうとえおえおさんの肩を揺するもこちらもなかなか起きない。
なんだこの人ら。このまま私だけが起きようにもあろまほっとさんが足にしがみついているし、とため息を吐いた。暇つぶしに、とあろまほっとさんの尻尾を触っていると、やはり尻尾は過敏なのか、もそりと布団の中で動いた。
そのまま布団を捲ると、目をこすりながらあろまほっとさんが這い出てきた。ようやく離れてもらえた、と足を自由に動かした。
が。未だ彼は猫の時の感覚らしい。
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ななみん - さくるさんの作品全部読ませていただきました！！めちゃくちゃ面白くて表現とか言葉選びとかめちゃくちゃ好きです！情景が浮かびやすくてハラハラドキドキします！！更新楽しみにしてます 、頑張ってください！ (2017年9月21日 7時) (
レス) id: 3b66c04ef8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくる | 作成日時：2017年8月30日 23時
