どーでもいいポケモン番外編【ポケモン】 (ページ7)

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7、海賊シリーズ～誘拐されるはシンボラー～ページ7

シンボラーは自分の部屋の窓から遠い島を眺め、熱々のエネココアをすする。
「私ね、船長や仲間達には言ってないんだけど、誘拐されたことあるのよね。
普通に両親と暮らしていたのにさ、心に穴があいたよ。状況が飲み込めなかったかな……」

流石に驚いた。唐突に誘拐という話。りぃはうなずきながら聞くことにした。

「小さい頃から貧乏でもなく、裕福でもなかったの。両親は店をやってて、人気の店だったから売り物もすぐ売り切れた。
散歩の帰り、両親が謎の人物に囲まれていて、私を見るなり……」
『見るなり？』
「見るなり、両親を刺した。……でも、すぐ治るようにね。そして私は視界が真っ暗になって、気が付いたらもう誘拐されたみたい。
その後の記憶は自分で消したわ。」

りぃは疑問に思う。実際妹はよくこういうことをする。
ひょっとしたら、妹かもしれないと。

『その人って、黒い髪にジャジャラな紫っぽい鎧……？』

シンボラーは少しためらって言う。図星だ。りぃが知っているということは、妹なのかもしれない。

「そ。……妹なんでしょ？
もしこの船に妹が来たらさ、両親の仇を………」
不思議だ。両親は刺されたとは言ったが、死んだとは言っていない。じゃあ……？

『両親ってさ、生きてるの？』
「あの後、町に戻れたのよ。けど、親戚から血の海ができたって一言を」

なんて残酷な妹なのだろうか。そして、この船に向かっているとは誰も知らない…………

「……ほーら、船長の部屋に戻った戻った！船長も待ってるよ(多分だけど☆)」

『多分も聞こえてるよ！じゃあ、ありがとう』
そう言って船長の部屋に戻ったが、船長は居なかった。
その頃、船長はシンボラーの部屋にいた。

「なんでお前さ、両親死んだのとか誘拐されたのとか俺達に言わなかったのさ？」
「そうねぇ、何ででしょう？過去を言いたくない人って多いのよ。
……あんな残酷な妹、じきに来るわよ。超能力でわかるわ。……船長はりぃちゃんを守って幸せになりなさいな。
私は妹と正々堂々やるわ。悔いのないようにね。
人生一度きり。楽しむが勝ちよ。」

コウキはちょっと顔を赤くしたけれど、こう言って部屋を出た。

「俺達の船にやってきた敵は俺達でやっつける。
俺とりぃだけ幸せ掴んで俺達が仲間を見捨てるとでも？」

敵が来るまで、あとちょっと。