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9*お留守番 ページ9

只今午後17時。

夏が近いから17時になってもあまり辺りは暗くなく、逆に明るくて時間感覚が狂いそうだ。


「……ちょっと本屋行かないとなー…」

『ほんや?』


ボーッと天井を見上げながら呟いた言葉におそ松さんが反応した。


『なんかかうの?』

「うん、買うの。料理の本」

『へー!』


すっと立ち上がる。

夜ご飯の買い出しのついでに料理の本を買おうかと思ったのだ。


「…あ……どうしよう、この6人の松」


チラッとテーブルを見れば、

長男はきょとんとした表情でこちらを見、

次男は髪の毛を切ったにも関わらず最初のが余程衝撃的だったのかまだ長男の後ろに隠れ、

三男は私が先程まで読んでいた雑誌を真剣に読んで、

四男は体育座りをしながら「どこいくの?」と目で訴えてきて、

五男は着ぐるみになっても少し長い袖を噛んで、

末弟は相変わらずあざとさを発揮しまくっていた。


「……とりあえず写真に収めるのは確定な」


何このデジャヴ。

シャッター音の嵐が終われば、次に来たのはブーイングだった。


『おーなーかーすーいーたぁー!』

『ごはんまだ?』

『はやくー!』


くっそ我が儘だな、なんて思いながらここは長男に頼むか。


「はいはい、わかったわかった。長男くん」

『うん!おれちょうなんだよ!』

「うん、長男だね。長男くんには試練を与えよう。」

『しれん?』


試練、という言葉に興奮したのか、おそ松さんはパァっと効果音がつきそうなくらい顔を明るくさせた。


『しれん!?しれんってなに!?』

「お留守番頼めるかな?」

『おるすばん?』

「そう。今お姉ちゃん、君達の夜ご飯買ってくるから、それまで弟のこと頼めるね?」


そう言えば、『わかった!』と元気よく言った。


「んじゃ、いってきまーす」


これで安心して買い物行ける〜なんて考えが甘かった。

家の玄関の扉を閉めた途端、中から聞こえる悲鳴に似たような6つの泣き声。

慌てて扉を開ければ、泣き声は止んだ。


「…………はぁ……おそ松さん!!お留守番よろしくね!?」

『…………うぅ……うん』

「ありがとう」


そう言って扉をまた閉めた。

また泣き声が聞こえたなんて私は知らないから。

10*クックパッ〇→←8*髪の毛切ろうかな



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設定タグ:ケモ松さん , おそ松さん , 養う   
作品ジャンル:ファンタジー
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黒コマ先生2(プロフ) - これが萌えですか、、、僕も癒しが欲しいです。続き待ってますね。 (2020年5月31日 13時) (レス) id: c314387e95 (このIDを非表示/違反報告)
家から出たくない主義(プロフ) - 何故ここで……!!!!更新楽しみにしてます!! (2019年3月24日 20時) (レス) id: edf769ece4 (このIDを非表示/違反報告)
アイル(プロフ) - 萌えすぎて禿げました。続き超待ってます!! (2017年12月1日 17時) (レス) id: da2347fff6 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 萌えましたね( ˙-˙ )続き楽しみにしています!更新頑張ってください! (2017年10月22日 23時) (レス) id: 96b60eb288 (このIDを非表示/違反報告)
兄松推し(プロフ) - 更新頑張って下さい (2016年8月6日 22時) (レス) id: 92c51a9e71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年5月12日 22時

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