5*誰か、飼育説明書をくれ ページ5
…凄くショックを受けて落胆する私を他所に、ミニ六つ子達は次々とタオルの上でむくりと起き上がった。
『おねぇちゃん、なんでそんなおちこんでんの?』
「えっ……ハハハ…」
おばけみたい、としかも自分の推し松に言われたことに、物凄いショックを受けたのだ。
そして、私を落胆させた当の本人はというと…
『…ヒッグ…うぅ……』
「……………」
…愛すべき兄の後ろに隠れておられます。はい。
素敵な兄弟愛だね。
お姉ちゃん泣きたいよ…はぁ…
『…それよりさ、からまつなんでないてんの?』
「…私の顔を見るなり怖いと言って号泣した」
『おねぇちゃんおばけみたいだしね!』
テーブルの上のタオルに寝転がりながら、ピンク色のうさぎの着ぐるみを着た多分トド松さん?が私を見上げながら言った。
まさかトド松さんにまで言われるとは…
落胆+落胆で打たれ弱い私の心は物凄く傷つきまくりだ。
「……はぁ…」
溜息を吐いて俯くと、昨日のダンボールが目に入った。そういえば……
「…ケモ松さんって、育てるのどうすればいいんだろう…一応孵化は出来たけど……ご飯とか」
そう呟いてダンボールの中を色々物色してみるも…
「…昨日の紙切れ以外入ってない…かぁ…」
取扱説明書ならぬ飼育説明書はやはり入ってないらしく、どうしたらいいものか、と首を捻った。
うーん、と私が唸っていると、服が引っ張られる感覚がした。
引っ張られる方へ目を移せば、そこには、
『…………』
「…どうしたの?一松…さん?」
半目で猫の着ぐるみを着た一松さんが私の服をちょいちょいと引っ張っていた。
『……おなか…すいた』
「…あ、そっか…」
そうだ。
皆が孵化してからまだ何も食べていないのか。
「…ちょっと待ってね…クッキーがあった筈…」
棚を物色すると、ついこの間買ったばかりのチョコチップクッキーがあった。
パッケージを開けて、袋に入った2個のクッキーを取り出して、小さく割る。
「…ごめん、今はこれで我慢してくれる?」
『…うん…』
『クッキー!クッキー!!!』
近くに置いてあげればそれを手に取って食べ始めた。
「……もう少し大きくても良いんだけどね…小さ過ぎて踏んじゃいそうで怖いんだけど」
『ぅんまー!!!クッキーぅんまー!!!』
……元気だなぁ、と心の中で呟いて、私はこれから先に対しての不安を抱いた。
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黒コマ先生2(プロフ) - これが萌えですか、、、僕も癒しが欲しいです。続き待ってますね。 (2020年5月31日 13時) (レス) id: c314387e95 (このIDを非表示/違反報告)
家から出たくない主義(プロフ) - 何故ここで……!!!!更新楽しみにしてます!! (2019年3月24日 20時) (レス) id: edf769ece4 (このIDを非表示/違反報告)
アイル(プロフ) - 萌えすぎて禿げました。続き超待ってます!! (2017年12月1日 17時) (レス) id: da2347fff6 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 萌えましたね( ˙-˙ )続き楽しみにしています!更新頑張ってください! (2017年10月22日 23時) (レス) id: 96b60eb288 (このIDを非表示/違反報告)
兄松推し(プロフ) - 更新頑張って下さい (2016年8月6日 22時) (レス) id: 92c51a9e71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梟 | 作成日時:2016年5月12日 22時