ケモ松、育てます【ケモ松さん】

2＊孵化 ページ2

｢……なぜに卵？｣


困惑中の私を置いて、時計は刻一刻と時間を刻んでいく。

良くよく考えれば、6つの卵はおそ松さんカラーだった。

右上から、赤、青、緑、紫、黄、桃…

そして、松の模様。

恐ろしいほど、頭を過ぎるのは大人気アニメおそ松さん。まじめにおそ松さんに類似していて怖い。


｢……えぇ……いや、グッズとか集めるの好きだけど…アニメ見るのも好きだけど……養いたいとか思っていたけど……
正直、本当に現実に出てきたら養える自信が無い｣


いやだってバイトは一応してるけど……毎月高いとは正直言えない…いや無理だろ。

なんてことを淡々と思っていると、ダンボールの中に紙切れが入っていることに気づく。

それを取り出して見てみると、


｢……はぁ？｣


更に馬鹿な私を困惑させることが描いてあった。

……

《☆ケモ松飼育セット☆》

��.孵化のさせ方
1.卵が安定出来るようなお皿に乗せる
2.レンジで10秒チン☆
3.レンジから取り出して2時間ほど放置！

これで孵化は完了だよ☆

……


｢………｣


ごめんよ。わけがわからない。

まず、ツッコミどころが沢山あるんだけど…

まず今1番ツッコミたいのは……


｢レンジで10秒チン☆って…なにぃぃぃぃ!?｣


私の雄叫びが近所に響き渡った、なんて、私は知らない。


………


とりあえず、実践。

その卵というのは丁度両手に収まるくらいの大きさで、普通の卵よりは少し大きめだ。

…とりあえず、少し底が深めの皿に乗せて、レンジで10秒チンしてみる。

……そういや思ったのだが、レンジで卵をチンすると爆発するというのを聞いたことがあるのだが…

これは、電子レンジの命が関わっているのではないだろうか…

ま、いっか。


ボタンを押して10秒チン☆


｢……( ˙꒳​˙ )｣


10秒って案外早いんだね。

すぐチン☆って音鳴ったよ。

あと、卵にヒビ入ったとか知らないから。

とりあえず出して、タオルの上に横にして置いておくことにした。


｢…2時間放置だっけ…その間にシャワー浴びてこようかな｣


卵を放置し、私はまっすぐ風呂場へゴー！


…………


シャワーを浴び終え、ドライヤーで髪を乾かし、部屋着へ着替え、リビングへ戻ると……


｢……あ……卵……｣


卵の殻は粉々になっていた。

そして……


『これなにー？』


掌サイズの着ぐるみを着たおそ松さんらしき生き物が、タオルの上で卵の殻の欠片で遊んでいた。

3＊ケモ松さん→←1＊出会いは佐〇急便でした。

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