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Aside
でも、高遠って兄弟いたんだ。
「薔薇十字…。」
「僕には、母親が違う年下のきょうだいがいる。
顔も名前も男か女かもわからないがね。
この会に、僕と一緒に参加し僕のきょうだいを守ってもらいたい。」
「はぁ?」
「僕の専門は殺人だ。守ったり、捜したりは向いてない。」
「あんた、ホントは何たくらんでる?」
「僕は本気だよ。」
「じゃあ…俺とAからも、一つ条件がある。」
はじめちゃん…?
「今すぐ警察に行け。」
「そこまでだ!」
「え…剣持さん…?!」
急に明かりがついて前を見ると、アロハシャツ着た剣持さん。
それに周りにはいつも見慣れた刑事さんたちに、畠山さんも。
「はじめちゃん…そうならそうと言ってよ。」
「ごめんごめん。」
後ろの席の方を見ると、畠山さんが男のフードを外す。
…と、顔がおじさん。
「誰だ、お前!高遠の仲間か?」
「知らねぇよ。俺はただ、金もらって知らねぇ奴に頼まれただけだ。」
「警部、高遠は無線で会話を。」
「その男とどこで出会った?」
「駅前のハンバーガー屋。」
「高遠を逃がすな〜!」
そのおじさんが素直に答えてくれたもんで、剣持さん達は急いでそこに向かって行った。
はじめちゃんのスマホが鳴って、
スピーカーにしてくれてその会話を聞く。
《中々楽しい鬼ごっこだったよ。君達の条件をのみましょう。
望通り、警察に出頭してもいい。
ただし、僕のきょうだいを守ることができたらだ。》
そして高遠との電話が切れた。
「はじめちゃん…。」
「大丈夫。俺がAを守るから。安心しろ。」
そう言って私の頭を撫でてくれた。
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月15日 18時