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Aside
私とはじめちゃんは二人で館に向かう途中だった。
「すげぇ田舎!」
「ほんとだね。」
「Aと二人で、デート!♡」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。」
「ってか、Aまでまじで付いてくるとは思わなかった。」
「はじめちゃん一人だと何かと心配だし…それに…。」
「それに?」
"俺が守るから。"
はじめちゃんが守ってくれるって信じてるから。
「やっぱり何でもなーい。」
「なんだよ!あっ、もしかして…俺の魅力にもーっと、気づいた?」
「ばっかじゃないの。
ってか、そんなふざけてる場合じゃないでしょ!」
「ヒーローは、辛い時ほどよく笑うってな!
ハッハッハ!ワ〜ハッハッハ…!」
「全くもう…バカ。」
プップー!
車のクラクションが聞こえて、その傍まで二人で走る。
近くで止まると中からメガネをかけた男性が降りてきた。
「金田一様ですね。」
「「はい。」」
「私、毛利と申します。館の主人に、
このたびの会の世話人を仰せ付かりました。」
「「よろしくお願いします。」」
車に乗り込むと、はじめちゃんが後ろの席の何かに気づいた。
「警察は連れてきていないようだね。」
「あんたとの約束通りだよ。」
「一つ聞いてもいい?ずっと捜してたの?
その、顔も性別もわからないきょうだいを。」
「さぁ、着いたようだ。」
「高遠、俺からも一つ条件がある。」
「何なりと。」
「Aには、一切手出しするな。
コイツを巻き込むようなことがあれば、警察にいつでも突き出す。」
はじめちゃん…私は、大丈夫だよ。
そう思いながら、私はお腹を優しく触った。
「さぁ、着きましたよ。」
「では、どうぞ。」
車を降りた瞬間に、
はじめちゃんの手が私と重なり優しく握られた。
色とりどりの薔薇一つ一つは、
罪深き者達の悲劇を予感させていた
謎の招待主 ローゼンクロイツ
その挑戦に応じる犯罪プロデューサー 高遠遥一と
その正体不明の異母きょうだい
様々なら思惑がここ 薔薇十字館に集まろうとしていた
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月15日 18時