双子の妹。5.【金田一少年の事件簿NEO】 (ページ8)

今日:2 hit、昨日:13 hit、合計:14,641 hit

▽ ページ8

Aside

嘘…でしょ、私はその場から動けなくて美雪ちゃんが気づいて、
美雪ちゃんを私の手を取ってその場所まで一緒に連れてってくれた。

「みんな？」

「おい、剣持警部はどこだ？」

「何だよ？」

はじめちゃんは心当たりがないのか知らないという顔をしていたけど、
隣の部屋を除くと血を流して倒れている剣持さんがいた。

「剣持警部！警部！しっかりしてください！警部！」

救急車がそのすぐあとに来て、剣持さんは運ばれて行く。

「転回します。」

「おっさん！」

「…剣持さん…！」

「おっさん！しっかりしろ！おっさん!!」

「離れて。」

「小僧、話聴かせてもらうぞ。」

どうしてこんなことに…はじめちゃんの話を、別のホテルの部屋で聞くこととなった。

「俺は、自分の部屋で寝てて…何か、アラームみたいな音が鳴ってて。
気づいたらあそこにいて。」

「そんな話、通用すると思ってんのかお前!!」

「お前が剣持さんを刺したところをあそこにいた全員が見てんだぞ！」

「ホントに見たのか？

俺がおっさんを…？」

誰も多分、信じたくはないと思う。
だけどあの現場を見ちゃったら…信じざるを得ないよ。

「本当に何も覚えてない？」

真壁先輩の言葉にはじめちゃんは頷く。

「お前は無意識のうちにやったのもかもしれない。
例の催眠術にかかったままでさ。催眠術はオカルトなんかじゃない。
そもそも、心の中にある無意識の願望を引き出すって説がある。
そして、頭が良い人間ほど簡単に、暗示にかかってしまうらしいんだ。」

「部長それって…。」

「つまり、お前は催眠術によって心の奥底に眠る、
本当の願望を自ら引き出してしまったのかもしれない。」

「本当の願望…？」

はじめちゃんの願望って…そんなこと、あるわけない。
これは何かの罠…まさかアイツ…高遠遥一が、絡んでるんじゃ。