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Aside
「誰か、鍵もってないか？」
「「植木鉢の下だ。」」
「植木鉢？」
私とはじめちゃんは同時に走り出して、植木鉢の下を見る。
…が、何故か鍵は無かった。
「鍵がない。」
「ポアロ、お願いします。
職員室にスペアキーがあるはずだ。」
「Aは待ってろ。」
「う、うん。」
はじめちゃんと真壁先輩が職員室にスペアキーを取りに行ってくれて、
どうにか映写室の扉を開けた。
ワンワン！
「あっ、よし。ちょっと犬頼む。」
剣持さんが確認をしてくれて、もう蔵沢先輩は亡くなっていた。
ワンワン！
「ポアロ、ポアロ。」
ワンワン！
「あ〜もう！おい、君！このコ、ちょっと君外に出して。」
「あっ、すみません。」
蔵沢先輩の左手を見ると、鍵を包むように置かれていた。
「畠山、連絡。」
「はい！」
「君達も一回、外出ようか。家に帰らないように。」
今ポアロ、真壁先輩の手に吠えてたよね…。
畠山さんが呼んだ鑑識さんが作業を進めて毒物がわかった。
「蔵沢君のマグカップから毒が検出されたようです。彼は、
それを飲んで死亡したと見て間違いありません。」
「蔵沢先輩が握ってた2つの鍵は？」
「植木鉢の下に隠してあった部室と映写室の鍵に間違いない。
スペアキーは職員室のキーボックスに厳重に保管されていた。
誰かに知られることなく持ち出すのは不可能だ。つまり、
部室と映写室は完全な密室だった。」
「俺たちが飲んだ烏龍茶の中身は？」
「睡眠薬が仕込まれていた。でも、
烏龍茶の方ではなく紙コップの方に入っていたらしい。」
「「紙コップに？」」
「我々が飲んだ紙コップだけじゃなく、
使わなかった3つの紙コップからも睡眠薬は検出されている。」
「だが、蔵沢君だけが自分専用のマグカップで烏龍茶を飲んだ。
だから睡眠薬を飲まずに済んだんだろ。」
「なんでこんなゆるゆるに？」
映写室の機会がゆるゆるになってるのが気になる。
それに…ポアロがなんであの時、吠えたのかも。
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作者名：反町ゆうり
| 作成日時：2022年2月27日 8時
