自×少女【そらる】【まふまふ】

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そらるside




「え、ええっ！？ちょ、彼方さん待ってくださいっ！」




俺の考えを伝えると真冬が急に焦り始め、俺を止めようと服を掴んできた。




「うるせぇ、俺が行かなくてどうすんだよ」




「そんな真っ青な顔で行っても駄目ですって！倒れちゃいますよ！？僕もいきますっ！」




「良いよ、お前人前苦手だろ。俺一人で良い」




「そんな殺生な！」




ずるずると真冬を引き摺りながら玄関へ向かう。
月弥の声と、男の怒鳴り声が聞こえた。




「真冬、ここに居ろ」




固まっている真冬の手を無理矢理はずし、ドアを開ける。




「あの子が俺らの事どう思ってるかなんてお前に分からねぇだろ！！」




「じゃあ、ソイツじゃなくて泪の兄貴の言うことなら聞いてくれます？」




そう言うと、月弥の服を掴んでいた男が目を丸くして呆けた顔をした。
後ろで数人の女が俺をみて騒ぎ始めた。
...バレたかなぁ。
もう、この際バラしてしまおうか。




「どうも、泪の兄貴のそらるです」




「そらるさん、大丈夫ですか」




咄嗟に俺の事をそらると呼ぶ所は月弥らしい。
今は、その気遣いが有難い。




「大丈夫。...で？妹だけで飽きたらずに天月まで傷つけようとしてんの？」




俺の自分でもわかるほど刺々しい言葉と冷ややかな視線に、月弥の服を掴んでいた男はその手を離した。




「月弥、泪の傍に居てやって。」




「でも、」




「大丈夫」




月弥は俺を心配そうに見つめながら玄関の中へと入っていった。




「...さて」




俺はにこりと笑った。




「話し合いでも、しましょうか？」

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