*14 ページ16
…
「おい、なんだその服は」
冷徹にAを見下す阿伏兎。Aはなんの事か分からず、また小さな事で不機嫌になっているだけだろうと阿伏兎に向けて小さな舌打ちをしてやった。
カツカツと階段をヒールで蹴って降りては、また長い廊下が姿を現す。
この戦艦の中は広い上になんの目印もなければ、ひたすら長い廊下と階段で造られている。言わば、迷路のようなのだ。
「おい、服を着替えてこいっつっただろ」
『だから着替えたよ。
見ての通りチャイナ服着てんだろ』
「煩いな」と阿伏兎の首に手を伸ばす。しかしそれはある人物の声によって、Aは仕方なく手を下ろした。
声の主はAの右腕である凛州だ。しかし彼はAに近づくに連れて顔を真っ赤に染めて「ふ、服…」と震えた声を絞り出すように言った。
『…だから、着替えたって』
「そ、そうではなくて!その服…少し露出し過ぎでは…」
『は?』
Aは再度自分の服を確認する。
チャイナ服は動き易くはあるが、それと反対に体の線がくっきりと分かるのだ。
スタイルが悪い訳ではないAのその姿を見て、こんな男だらけの集団だ。何かあってからでは遅い。
阿伏兎と凛州は口を揃えてAに訴えた。
『そういう事かよ。
…悪かったよ、着替えてくる』
「お前はその服二度と着るなよ、捨てろ」
『いや普通そこまでしねーだろ』
52人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青ウサギ(プロフ) - これからのお話しで登場します!阿伏兎ではありません! (2018年6月29日 15時) (レス) id: 96f8c4fa92 (このIDを非表示/違反報告)
真由(プロフ) - すいません。気になったのですが、目の下にくっきりとクマを付けて、体形がガッチリとしている男←阿伏兎でしょうか?仲間内で敬語は使わないと思うのですが。阿伏兎じゃなかったらすみません。 (2018年6月29日 15時) (レス) id: efeb5e493c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:青ウサギ | 作成日時:2018年6月6日 22時