過去編 「俺」が生まれた日終 ページ32
『……っ』
両手で頬を包まれ、軽い頭突きを喰らう
「いいかよく聞けA。今日からお前は鷹尾Aになるんだろ?それはすなわち、あの子の見れなかったこの先の未来をお前が代わりとなって見る事と同義だ。ならば、そう易々死ぬなんて考えるな
ここから先はお前の人生でもあり、鷹尾Aの人生の続きでもあるんだからな
分かったか」
『俺が…Aの、未来に』
自分の為に生きれないと言うのなら
Aの為に生きろと。大木さんは言うのだろう
Aの為と言われてしまえば、俺のやる事は決まってる
“ねぇねぇつくし、あそぼーよ!外晴れてて気持ちいいよ?”
“つくし、お前にこれをやろう。わしが作ったんだぞ?”
“つくし元気ないね?風邪?僕が治してあげる!”
“風邪にはかゆだ!任せろ今作るからな!”
“つくし!大好きだよ”
“お前もAも、わしの自慢の息子だ!!
わっはっはっは!!”
『……う、ぅう、』
久々に泣いた。
泣く事は悪い事ではないと知ったあの日以来
今まで溜めてきた分、泣けなかった分も含めて全て吐き出した。泣きじゃくる俺の背を大木さんは優しく撫で続ける
気の済むまで泣き続けた。
亡きたった2人の家族を想って
「泣け泣け。子供なんだから我慢するじゃない」
『大木さんは…知ってたんですね。俺が、本物のAじゃないって』
「あぁ。貰ってた手紙の内容にあった少年とお前は性格が違いすぎたから一目瞭然だったわ。まぁ、秀一郎の反応で確信に変わったけどな」
『そう、ですか…』
「どうして“鷹尾つくし”にしなかった?」
『それも秀一郎さんから聞いてたんですね。
まぁあれは、正直仮名みたいなものですよ
でも、これでいい。これなら一緒にいられる気がするから』
大木さんはそれ以上は何も言わずに、ただ俺の手を引いて行った
俺は数ヶ月アルバイトに勤しみ、学費を貯めて少し遅め忍術学園に入学した
導かれた先には“一年ろ組”の文字
今日は俺…いや、“つくし”が死んだ日
そして、
『初めまして、鷹尾Aです。今日からよろしくお願いします』
俺が鷹尾Aとして生まれ変わった日
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伊綱(プロフ) - 紫さん» ありがとうございますありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです頑張りますっっ (2020年12月23日 12時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - この作品むっちゃ好きです。更新楽しみにしてます (2020年12月22日 3時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます!とても嬉しいですっっ (2020年10月28日 15時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 面白かったです!更新楽しみにしてます! (2020年10月28日 14時) (レス) id: 1d63efc7c2 (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます!!なるべく更新できるよう頑張ります (2020年10月23日 11時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊綱 | 作成日時:2020年7月25日 13時