動き出す彼ら ページ33
__ドンッ!!
『!』
「!」
突然響き渡る爆発音、僅かに伝わる振動は爆発の威力を物語っていた
これにより城内は騒がしくなる。
「組頭ッ大変です。城内に侵入者が…」
「侵入者の数は?」
「確認できただけで10人弱はいるかと」
『……来たか』
「君、何か知っているのか?」
『タソガレドキの不意を付けられる賊なんて限られてる』
「………。君はここにいなさい
決して動いてはいけないよ」
それだけ言い残し、雑渡は部下を引き連れて部屋を出て行く
1人残された俺がやる事はただ一つ
部屋を抜け出し目指した先は地下牢
再び現れた俺を確認した奴の表情は困惑していた
「…なんだ。何の騒ぎだ」
『どうやら敵襲があった様だ』
「! 屍、」
『その名で呼ぶな。虫唾が走る』
自分でも驚く程低い声が出たが、構わず続ける
『あんたも災難だな、あの人と関わったばかりに寿命が縮まった』
「なんだと、どう言う意味だ」
『あんたは見限られたのさ。ここに捕らえられた段階で
もうじきあの人の部下がここに辿り着く。あんたを始末しに』
「……なるほどな。忍びってのはつくづく信用ならねぇな
長年尽くして来たわしさえも殺そうとは。
差し詰めお前さんは、わしが殺される前に聞き出しに来たってところか?2年前に忍術学園にいる鉢屋の血族襲わせる様依頼した者を」
『そうだ。もちろんただでとは言わない
取引だ。あんたの持つ情報を寄越せばここから逃げるのを手伝ってやる』
「お前、自分が何言ってんのか分かってんのか?
鉢屋の娘を殺した奴を助けようとしてるんだぞ」
『分かってる。それでも俺は、やらなくてはならない事があるんだ』
問答無用で殺してやりたいという気持ちを殺す。
だってまだ、何も聞けていない
誰が、全ての元凶なのかを
俺は緊迫した状況下の中、目の前の刺客に選択肢を渡す
『さぁ、選べ』
ーー生きてここから抜け出すか。
ーーただここで迫り来る死を受け入れるか。
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伊綱(プロフ) - 紫さん» ありがとうございますありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです頑張りますっっ (2020年12月23日 12時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - この作品むっちゃ好きです。更新楽しみにしてます (2020年12月22日 3時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます!とても嬉しいですっっ (2020年10月28日 15時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 面白かったです!更新楽しみにしてます! (2020年10月28日 14時) (レス) id: 1d63efc7c2 (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます!!なるべく更新できるよう頑張ります (2020年10月23日 11時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊綱 | 作成日時:2020年7月25日 13時