託された行方 伊作side ページ18
「…いない、どこ行ったんだ。Aのやつ
__…うわぁあ!!」
同時刻、保健室でのAの言葉に違和感を拭えきれずにいた伊作は、学園中を走り回りながら彼を探した
だが、どれだけ探してもその姿は見えず
動き続けているせいで不運による生傷が次々増えていく
そしてついには綾部が彫った落とし穴に落ちてしまった
「う、うぅ…いたた。またやっちゃった
もう…」
「あれ?伊作、お前また落ちたのか」
「! 小平太…」
聴き慣れた声に上を見上げると、私服の小平太が顔をのぞかせていた。「ほら」と手を差し伸べられ上へ上げられる
片手で持ち上げてしまうあたり流石だなと思う
「小平太、こんな時間に何処か行くの?」
「あぁ!学園長先生のお使いでな。少し遠いから今夜のうちに出ないと間に合わないんだ。土産買ってくるから楽しみにしててくれ!」
軽快に笑いながら僕についた土埃を払ってくれた。
礼を言いながら小平太を見つめる
「なんだ?」
「あのさ、小平太…__」
保健室でのAの言動から垣間見えた違和感
そして、今現在Aがどこにもいない事を小平太に伝えた
「…そうか。
なら、伊作はこのまま学園で待っててくれ
私がなんとかするから
あと、この件はまだ他の連中に言うな。もしかしたら杞憂で終わるかもしれんし…下手に騒ぎ立てても仕方ないしな」
「うん。わかったよ
でも、君はどうするつもりなの?今Aがどこにいるかなんて分からないじゃないか」
「大丈夫。私に任せろ!」
大丈夫だと断言して小平太は笑った。
いつもの笑顔で
“Aの事なら小平太に
小平太の事ならAに任せる
もしも両方ダメだった時は、長次に相談する”
これが六ろ以外の六年生全員の昔からの総意だった。
この短期間で、何かが起ころうとしている
確証が無い為、大事にもできない
(小平太が任せろと言うのなら、ひとまず僕はここで二人の帰りを待とう)
「わかった。くれぐれも無茶だけはしないでね」
「おう!」
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伊綱(プロフ) - 紫さん» ありがとうございますありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです頑張りますっっ (2020年12月23日 12時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - この作品むっちゃ好きです。更新楽しみにしてます (2020年12月22日 3時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます!とても嬉しいですっっ (2020年10月28日 15時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 面白かったです!更新楽しみにしてます! (2020年10月28日 14時) (レス) id: 1d63efc7c2 (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます!!なるべく更新できるよう頑張ります (2020年10月23日 11時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊綱 | 作成日時:2020年7月25日 13時