回想 鉢屋side ページ19
「離してくれ勘右衛門、雷蔵!!オレは…オレはッ
委員長を探しに行く!!!」
「ダメだ八!まだ動いちゃ」
「今のお前が行った所で何ができるってんだよ!少し落ち着けっ!」
保健室では鷹尾を追おうとする八を止めるべく、雷蔵と勘右衛門が必死に抑えていた
「兵助、包帯キツくないか?」
「うん大丈夫。ありがとう三郎」
一方の俺は、兵助の傷の応急処置をしながら1人、以前鷹尾に言われた言葉を思い出していた
…
「姉さんをを殺した連中を探す?
一体どうやって」
『タソガレドキの雑渡昆奈門に協力を頼んである。近々動こうと思ってるんだ。だから頃合いを見て学園を離れる
それらしい目星も付いてるしな』
「俺も連れてって下さい」
『ダメだ。お前はここに残れ』
「どうして!?あんた一人でどうにかなる問題じゃないだろ。
どうしてもと言うならせめて他の六年生にも、」
『俺は、俺の私情にみんなを巻き込みたくない』
俺の言葉を遮った鷹尾の言葉は揺るぎなかった
だが、俺も負けじと食らい付く
「そもそも奴らは俺の敵であり、俺が本来討つべき仇の筈だ
なんであんたは…。自分の命が惜しくないのか?」
俺の言葉に涼しい顔をして聞いていた鷹尾の顔がその時、初めて歪んだ
そして__
『俺にとっても、ほたるは姉の様な存在だった。
だから俺は奴らを許さない
どんな手を使っても必ず見つけ出してやる』
「鷹尾ッ」
『でも雑渡昆奈門に言われた。もしも本気で探るなら全てを捨てる覚悟を持たないといけないって
分かってる。命に関わる程の大事をやろうとしてる事も、それがどんなに危険なのかも』
「だったらっ」
『俺は、自分の命が惜しいと思った事はない』
「…っ」
『………それに、本当なら俺じゃなくて』
「?」
『ともかく、お前は絶対にここから動くな
分かったか?』
「!あ、おいっ!!」
…
(全てを捨てる覚悟を持ったら。なんて言ってたけど、それが今だってのか?)
思考を巡らせど、鷹尾の考えてる事はいまいちわからない
「…ごめん三郎。何もできなくて」
「兵助が謝る事じゃないだろ?そう落ち込むなって
ほら、これでも見て元気出せ」
隣で項垂れる兵助を励ます為、あるものを出した
以前雑貨屋で買った稗田八方斎のぬいぐるみだ
「まだ持ってたんだ」
「勘右衛門のだけどな」
172人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
伊綱(プロフ) - 紫さん» ありがとうございますありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです頑張りますっっ (2020年12月23日 12時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - この作品むっちゃ好きです。更新楽しみにしてます (2020年12月22日 3時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます!とても嬉しいですっっ (2020年10月28日 15時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 面白かったです!更新楽しみにしてます! (2020年10月28日 14時) (レス) id: 1d63efc7c2 (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます!!なるべく更新できるよう頑張ります (2020年10月23日 11時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:伊綱 | 作成日時:2020年7月25日 13時