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次の日もその次の日も、Aが笑うことはな
かった。あんなにうるさかった1年6組も、そんな
Aを心配しつつ感情が無くなったように静
かになってしまった彼女に何も言えずクラスはお通
夜状態だった。あの日から、Aは部活に行
っていない。こんな状態なのに、自分が以外と冷
静なことに驚いていた。今は冷静に、打開策を考え
ている。きっと頭に浮かぶありきたりの言葉じゃ、
Aの心は動かせない。ただ、「何があって
も、俺はAの味方だから」と言った以上逃げられ
ないので、返事は無くてもいつも通り話しかけたり
している。好きな子に無視されるのって結構キツ
い。何をすればいいのか分からないままどんどん時
間は過ぎ、文化祭三日前になったってしまった。そ
して、その日の朝、事件は起きた。
「みんなごめん!」
「片桐さん!どうしたのその足!?」
「部活で足ひねっちゃって、全治1週間の怪我をしてしまいました・・・」
「1週間って、文化祭間に合わないじゃん」
「ほんとごめん!!」
ジュリエット役の片桐さんには階段を登るシーンや
ダンスのシーンなどがある。とてもあの足じゃでき
ないだろう
「いや、仕方ないよ。でもどーする?代わり探すか、ナシにするか」
「今更ナシにはしたくないよね」
「でも、ジュリエットって主役でセリフも動きも多いし、今から全部覚えるのは難しいんじゃ・・・」
確かに今から全部は・・・
(あ、)
「そーいえばA、劇のセリフ全部覚えてる
んでしょ?」
「そーなの、A!?じゃあAにお願いしても
いいよねみんな」
「あー、A頼む!」
塞がっていた壁を壊すように、次々にAに
向かっていった。
「・・・無理、だよ」
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火々飛(プロフ) - あいすさん» あ、ありがとうございます!自分ではもう何がしたいのか分からない感じになってきました(´>ω∂`)頑張ります! (2018年5月17日 17時) (レス) id: 0574b8554d (このIDを非表示/違反報告)
あいす - コメント失礼します。とても良いお話ですね!敦くん好きなのでとても嬉しいです。 頑張ってください!! (2018年2月28日 0時) (レス) id: 1cc3c1459f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シロ | 作成日時:2017年8月31日 19時