SUMRME LIVE〜友人の事を話したくなるのは〜 ページ36
ヨシは、四人に言うと車に乗る組にそう言って去っていく。
「じゃあ、俺ら帰るわ。ヨシによろしく言っといてくれ。まぁ、後でメールする。じゃな」
「はーい!じゃね〜!」「バイバイ〜!」「じゃあな」
駅に向かっていく4人に手を振ったライとユイとカイは、静かにヨシの車を待っていた。
「本当に俺ら同じ方面だったんすね」
四人が静かに帰って行くと、それが限界になったのかアキは口を開いた。
「あぁ、偶然か?」
やはり耐えられなかったセイも声を出した。
「・・・」
ただ、コウとキラはずっと黙ったままだった。
「おーい…コウ…?」
「・・・あ?」
顔をあげたコウが鋭い眼をしながら、セイを睨みつける。
「あ…なんだ…?」
「あ、いや。ちょっといつもと変だな〜って」
「別にいつも通りだけど…?」
コウは、そう口では言うものの顔はものすごくいつもの違う。
「キラ…?どうした…?」
「・・・ん?」
キラは同じく下を向いていたのだが、アキの言葉に反応し顔をあげた。
「あ…いや、なんでもない」
アキは首を小さく振りながら、顔を背けた。
その後、ろくに会話もせず駅に到着する。
キラとコウが可笑しいことに、アキもセイも気が付いているのに、どうしてか口に出せない。
「そういや、今回のメロディーどっかで聞いたことあるんだけど〜」
「・・・」
セイのどことなくいじわるなような言葉を聞いて、キラはセイを鋭い目で睨んだ。
「あぁ…すまん…。そんなわけないよな。あれはカイが作ったやつだ!」
「そうですよ。カイがパクるわけないじゃないですか」
「パクったとかじゃなく、ただ似てるだけ。あいつに」
キラはまた、今の言葉に反応してじろりと睨む。
「事実を言ったまでだ。そんなに睨む必要ないだろ」
「兄さんのことは言わないで下さいって、散々言ってるじゃないですか」
「あ〜それはすまない。だが、友人の事を話したくなるのは――」
「え?キラの兄さんって、コウの友人だったの?」
コウの言葉を遮る形で、セイが急に質問してくる。
キラは、先輩相手に舌打ちをしながら、電車の窓に寄りかかりそっぽを向いた。
「あ…あぁ…。まぁな。知ってるだろ?TE-MAの矢逸――」
「言うな!!!」
キラは、そう怒鳴る。その目はものすごく怒っていて、目が鋭くて痛い。
「・・・」
「あ〜、紫穏ってやつだったか?英語表記で『ZioN』の」
「チッ……」
止めたにも関わらず、言われてしまったためまたそう舌打ちし、諦めたかのように下を向いた。
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作者名:Hi-chan | 作成日時:2017年6月27日 16時