STAGE～私は君を見つけます～ (ページ37)

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SUMRME LIVE～楽しい学園生活のはずだった～ページ37

「てか、知ってるんじゃなかったっけ？」
「今さっき思いだした。あ、でもその紫穏ってやつが、コウと友人だったことは知らねぇぜ？」
「言ってなかったっけか…。言っていいか？キラ」
コウは、もう切れられるのは勘弁だと思い、そうキラに問う。
キラは、「すきにしてください」と外を見ながら言う。
キラの許可に安心したコウは、小さい声で話し始めた。

コウと紫穏は、高校時代の友人。軽音楽部で一緒にバンドをしていた仲間だ。
コウはベースで、紫穏はギターボーカル。
最初は、二人でやっていたのだが、後に和音という１年下の後輩が仲間に加わる。
グループ名は『ブルアーズ』という名前で、主に文化祭などの際に披露したりするのみの活動を行っていた。
依頼があれば、文化祭以外でも披露したりするなどをしていた。
オリジナルの曲を作ったりなどもしていた。それこそ、紫穏が全て。作詞も作曲も全て紫穏がやり遂げていた。
それを、ブルアーズで披露する。演奏も歌もそこそこだった。
楽しい学園生活―――――――のはずだった。
コウと紫穏が３年生になり、最後の文化祭で準備をしていたある日突然、和音が転校した。
理由は本人から聞いていないが、先生は親の都合だと言っていた。
曲も完成していたというのに、和音の転校でドラムがいないため、文化祭は参加できなかった。
文化祭が終わった次の日から、紫穏は部室に来なくなった。
何度もクラスを訪れては紫穏に話しかけたのだが、完全に無視される毎日が続いていた。
和音が転校してから、変わってしまった。紫穏も、振り返ってはくれない。
コウは、次第に諦めていき３学期になる頃には、もう話しかけもせずただの同級生という目でみるようになった。

「まぁ、友人っつーか腐れ縁っつーか。元仲間っていうか」
「へー。紫穏ってやつは…まぁなんだ、和音ってやつがいなくなって寂しかったのか」
「そんなわけないだろ。和音が加わる前は、二人でやってたって言ったろ？」
セイが勝手な感想を告げると、コウはすぐさま否定した。
「あーそうか。じゃあまぁ、飽きたんじゃねぇの？」
「それもねぇよ。だから、今、紫穏は『TE-MA』で活動してるんだぜ？お前それはあれか？俺に飽きたって言うのか」
「そう言うんじゃなくて……。まぁ…確かにブルアーズに飽きたのはあるかもしれねぇが…」
セイは頭をポリポリと掻きながら、そうつぶやく。
「二人だと、ろくにオリジナルの曲も作れなかっただろうしな。作れなかったろ？」