◯家にて ページ31
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『たっだいまー!』
阿「テンションたっか」
バレ対策という事で、阿部は少し遅れてエントランスに。
いろいろ入るまでの工程があるから、外からバレにくいところで待機してて、私の部屋まで向かうわけですよ。
んで、ようやく帰宅!
『良いことありましたからねー』
阿「え、なになに?」
『阿部と仲直りしたから!』
ニコッと笑えば、ほんとそういうところ。なんて頭を撫でられる。
彼の方が身長が高いから気を抜けばすぐに頭や肩に手が置かれている。
他メンバーもそうなんですけど。
あ、佐久間は抜きで。
阿「てか、名前」
『あっ...。まあまあ、お腹空いたからご飯食べた...』
あの綺麗なお顔がドアップで近くにあるんですけど?
え?とか思ってたら耳元でこう言われた。
阿「名前で呼んで?」
近すぎて、心臓が動きすぎて、鼓動が早くなっているのがわかる。
彼に聞こえそうなくらい、うるさい。
『ちょ、近い近い!
ねぇ、は、離れてください、亮平...くん』
阿「んー、仕方ない。今日はそれで許してあげる」
いや、なにそれ!なんて言いたくなるけど、それ言ったら心臓持たなそうだからやめとこ。
絶対、不意打ち狙って亮平って呼んでやるんだから!
*
阿「うん、やっぱり美味しい!」
アイドルってよりは素に近い笑顔を見せてくれるからいちいちキュンってする。
てか、この数年間で、かっこよくなりすぎ。
「良かった」なんてなにもないように笑ってみせるけど、私の頭ん中は情報が処理しきれてない。
阿「てか、家の中、シンプルだね」
『あー、そうかも。
余計なものは置かないようにしてるからかな?』
阿「Aっぽい」
いちいち名前呼びにドキッとするほど、私は彼に恋していたことに気がつく。
阿「そういえば、あれって」
彼が指差したのは、阿部とのツーショット。
『う、あ、ちょ!ちょっと待って!』
そんな声を無視して、彼はその写真を手に取る。
『見なかったことにして、って言ったらどう、しますか...』
阿「んー、毎回来るたびに聞く。とか?」
『いや、もうそれ話せってことやん』
阿「うん」
諦めて、遠回しに気持ちを伝える。
『...阿部との思い出は捨てれなかった』
ねぇ、気がついて。
◇
誰にも邪魔されない空間で揺れる想い
◇
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