◯不覚にも ページ40
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事務所の廊下を歩くとこちらへ向かって歩いてくる女性。
ピントが合わずぼやけてるものの、なんか見たことある顔。
目をよく凝らして見れば、それは私の母だった。
小走りで母の元へ駆け寄り、声をかける。
『お母さん!』
母「あー、いたいた!
せっかくだし、メンバーさんにご挨拶したくて」
『好きだねぇ(笑)』
私の母は昔からメンバーが好きで、毎回来るたびにメンバーに会わせてと頼んでくる。
それにメンバーが快く受け入れてくれるので感謝だ。
ただいまーと部屋の扉を開ければ、おかえりーと返してくれたメンバーがこちらを向いたとたんに目を丸くする。
それが面白くて、緩む頬を抑えられず、手で口元を隠した。
向「え、誰?」
『私の母』
そういや康二と目黒とラウは初めて会うのか。
「はじめまして」とニコニコ笑う母と戸惑う3人の様子が面白くて、佐久間と目を合わせ笑ってしまった。
母「そうそう!これみんなで食べて」
『あ、これ美味しいやつ!』
宮「ありがとうございます」
高級なとこのお菓子の詰め合わせ。
めっちゃ美味しいのよ。
母「うちの子がお世話になってるから気にしないで食べてね。
それより阿部くんいる?」
不仲と巷で噂されている人に聞くな。
お母さんになんも言ってないけど。
ふと思い出したが、私の母と阿部の母は仲が良く、しまいにはお互いがお互いの親の連絡先を知っている。
なら、連絡取れるのでは?とか思ったのはここだけの話。
『さあ?』
母「阿部くんとご飯行こうと思ってたのに」
ごはんかー。いいなぁ...え?
『ちょいちょい。おかしくない?
娘を差し置いて、ご飯行くの?』
耳に入るのはお兄ちゃんたちの笑い声。そこ、静かに。
母「一緒に行く?」
『阿部のお母さんとご飯食べるから大丈夫』
いやそこ!?というふっかのツッコミは知らん。
母「で、阿部くんは?」
『知らんって...。あ、そろそろくる』
なんて言ったら扉が開き、顔を出したのは阿部だった。
おぉ〜と感動する一同、混乱する阿部、呆れる私。
『じゃ、私は飲み物を買いに行ってくるので』
阿部からの説明しろという圧を感じながらも、それは母にバトンタッチ。
こんな空間にいてられっか!
ベーっと子供のように舌を出して、扉を閉めた。
何飲もっかな。
◇
なんとなくでわかっちゃう
◇
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