31:再会までの過程 ページ41
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_____これは姉弟が再会を果たすちょっと前のこと
久々知と尊奈門が2人で捜索に行ったのを見届けたAはひとり木の上にいた。乗っている太い枝には泥が付いており、Aはそれをスイっと人差し指で掬い取り親指と擦り合わせた。
ねちゃっとした触感がAの指を包む。泥は湿気ており先程まで降っていた雨によって生成されたものだと物語っていた。
泥の付いた指を適当に服で拭ったAはひょいっと隣の木に飛び移った。その木の枝にも同じように泥がついている。
「やっぱり、木から降りてきたなら木の上に戻るよねぇ〜」
Aは脳内でお得意の推理ショーを始めた。
地面に続く足跡は草むらへと続いていた。そこは草の背が膝下くらいあり足跡など見えない。つまりそれは実質途中で途切れているということである。多分、捜索隊のみんなは草むらから足跡がどちらに進んだか分からず、四方八方に散って捜索しているんじゃないかなぁ(正解)
私も草むらへと足跡が続いていると分かった時点ではそちらに向かう気満々だった。しかし偶然別の手がかりを見つけた。それがこの木の上にある泥である。
まさか寄りかかった木から泥が落ちてくるとは思わなかったがな!!運が良いのか悪いのか、微妙なところだ。
普通木の上に泥は付着しない。まあ動物の足を経由して付着する可能性はあるというか、多分今回がその可能性に当てはまっているだろう。
この木の泥は足跡の持ち主が木に乗ったために付いたものだ。断言できる理由は、今が夜だから。この辺りに住む木に登りそうな猿やリスは夜行性じゃないのだ。だから彼らが付けた泥ではない。
しかも泥はこの木だけでなく隣の木にもそのまた隣の木にもついている。怪しすぎるだろ。
「ということで、足跡は他のみんなが追っているし私は泥を追うことにした……って誰に言ってんだろ」
やれやれと頭を振る。これにてA脳内推理ショーは閉幕だ。
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泥を追い、隣の木そしてそのまた隣の木へ飛び移るA。途中で途切れたら自身の推理は大外れだよなと少々不安だったがそれはすぐに解消された。泥の付いた木は途切れることなく何処かへと向かっているのだ。
さて、ここで浮かぶのは『何故地面にも足跡があったのか』という疑問である。これに対するAの意見は『囮だったのではないか』というものだ。
しかしこの意見を出すと次に『何故囮が必要なのか』という疑問が浮かび上がってしまった。
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レオン(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます。続きを更新しました!続編にてご覧ください。 (2022年8月3日 15時) (レス) id: bc25bf8dca (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 続きが速く見たいです (2022年7月30日 14時) (レス) @page47 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
レオン(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます!更新を喜んでいただけて嬉しいです!これからも頑張ります!!またご指摘もありがとうございます。訂正いたしました! (2022年7月5日 21時) (レス) id: fc3a292471 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 更新嬉しいですー! 29-6の夢主さんの説明のところ「高いく」は「高く」ではないでしょうか? 一応お伝えしときます。これからも無理のない範囲で頑張って下さい! (2022年7月5日 16時) (レス) @page34 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
レオン(プロフ) - マイさん» コメント、そして応援ありがとうございます!面白い、好みと言っていただけてとても嬉しいです!!これからも頑張りますのでお楽しみいただければ幸いです! (2022年7月3日 10時) (レス) id: fc3a292471 (このIDを非表示/違反報告)
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