24曲目 ページ26
｢デ？それはなんの話カナ？｣
｢えーとナツメ落ち着いて｣
｢つむぎの見間違いの話だよ｣
背後にｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞと効果音がつきそうなくらい天祥院を睨み私に抱きついているナツメ。
睨まれながらも紅茶を啜る天祥院、あわわと慌てている青葉。
｢生徒会長ガ？Aねえさんニ？なんテ？｣
｢ナツメ大丈夫だから落ち着いて？青葉の見間違いの話だから！｣
｢Aねえさん！昨日
｢夏目くん実はさっきまでの会話聞いてました？｣
｢聞こえてきたノ！｣
ナツメは全然離れようともしない。
くっついて来てくれるのは可愛くて可愛くて仕方がない。
天祥院ははぁっとため息をついてナツメに応えた。
それはさらにナツメを激怒させる内容
｢逆先くんには事実言わないと呪われるかもしれないけど、つむぎさっきの嘘だよ。僕は昨日Aちゃんにキスしたけど？｣
｢は？！お前さっき否定してたのになんでホントの事今言っちゃったの！？｣
｢はァ？！Aねえさん本当なノ！？なんデ！｣
あっと口を滑らせてしまいナツメがさらに私を抱き締める力を強くする。昨日のはやっぱり本当の出来事、嘘じゃなかったことに何故か安堵していた。
｢Aねえさん、仕方ナイ。生徒会長の菌があったら大変ダ！｣
｢逆先くん？人をバイ菌扱いしないでもらえるかな？｣
｢そもそもAねえさんのカレシはｯ…！｣
｢ナツメ落ち着いてってば！事故！事故だか…｣
言いかけた言葉は遮られ
｢ひゃっ？！｣
｢えっ｣
天祥院と青葉の驚いた声を出した。
私も驚いて声が出ない
｢っ…｣
顔が赤くなったのが自分でもわかる
｢逆先くん。A。校舎まで声が響くぞい｣
目の前で揺れる黒髪
赤い瞳
懐かしい感覚。
不機嫌な低い声
｢ちょっと、どういうつもりかな？｣
｢あわわわわわわ！｣
｢ちょ、えッ｣
周りがよく見えない。
分かるのは驚いた声を出す青葉とナツメ。
不機嫌な天祥院の声。
｢天祥院くんも大胆なことしておったんじゃな｣
｢れれれれれれ…！｣
｢あ、すまんのぅA。びっくりしたじゃろ｣
｢レイ…｣
レイが片手で私の肩を掴み、もう片手で私の頭を撫でていた。
もう何が何だかパニックだ。
でも
私はやっぱり
まだレイの、事好きなんだと自覚した
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作者名：ルナ | 作成日時：2022年4月16日 6時
