23曲目 ページ25
｢わぁAちゃん本当に女の子だったんですね｣
｢ちょっ、暑い暑いって青葉｣
｢つむぎ、Aちゃんに近いよ｣
保健室に行こうとした時、当時とは少し外見が変わった青葉つむぎにぶつかって天祥院に連れられテラスに来た。
旧fineに挟まれるのは少しソワソワしてしまう。
青葉は私の髪の毛を手に取り｢こんなに長くて綺麗な髪してたんですね｣とニコニコ話しかけてくる。
｢つむぎ、だからAちゃんに近いよ｣
｢天祥院も近いんだけど青葉も天祥院も離れてくんないかな｣
｢ふふっ、英智くんはずっとAちゃんのこと見てましたもんね｣
悪気は無いのであろう青葉がそう言うと私は顔を引き攣り天祥院は青葉の事を机の下で軽く蹴っていた。
｢痛いです英智くん！えっ付き合ったんじゃないんですか？！｣
｢つむぎ、ちょっと黙ろうか｣
｢はぁ？
｢全力拒否を辞めてくれるかな僕だってAちゃんのことそんな風に見ていないし｣
がるると唸りながら私は天祥院を見た途端に昨日の記憶がまた蘇りすぐ顔を逸らす。
天祥院の事は大っ嫌い。ずっと嫌いなはず
じゃあ…
｢え？だって昨日2人とも保健室でキス、してましたよね？｣
｢え｣と私と天祥院の声が重なる。
青葉はキョトンとしながら私と天祥院を見つめている。
青葉の言葉に私は事故だと言いかけた時天祥院が
｢つむぎの見間違いだよ。だって僕はアイドルだよ｣
と青葉に言い放った。
そう、あれは気のせいなんだ。きっと偶然当たってしまっただけなんだ。安心してもいいはずなのに少し胸が傷んだ気がした。
｢そうなんですか？｣
｢そうだよ、ね、Aちゃん｣
｢…えっあうん！あれじゃない？青葉が見た角度でそう見えたとか。本当に勘弁して｣
｢そうだったんですね、すみません勘違いしてしまって。本当にキスしてたら夏目くんが黙ってないですもんね｣
青葉がまたニコニコとしながらナツメの名前を口に出した。
なんでナツメ？ナツメは
そう思っていると上から見覚えのある赤髪に白メッシュが私の鼻をくすぐった。
｢ちょっト？それなんの話かナ？センパイ？｣
｢あっ夏目くん！｣
｢ナツメｯ！びっくりした｣
｢おはよ、Aねえさん｣
ナツメは私の背後に立っていて後ろから目の前の机に片手を置いている。
天祥院をキッと睨むナツメが居た。
ああ、やばい
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作者名：ルナ | 作成日時：2022年4月16日 6時
