Queen【天祥院英智】 (ページ21)

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19曲目ページ21

「A、今暇なら少し話をしないか？」
「今戻ってもイズミに怒られるだけだから良いよ」

レイの後について行きながら人がいない教室へと入っていく。
久しぶりに見た時思わずびっくりして逃げてしまったけど性格や喋り方が変わっただけでなにも変化は無い。

「単刀直入に聞いてもよいか？」
「うん？どうしたの？」
「A……おぬし……」

レイが私を見つめて言葉を放つ。
レイはさすがとしか言いようがない。

「fineに加入したらしいのう」
「まだ誰にも言ってなかったのにやっぱりレイにはバレてたか〜」
「A、天祥院くんのこと苦手じゃろ。よく加入したの」
「……」

無言の私を見ると更にレイは近づいて頭に手を置く。
そして昔のように話してくれる…

「アイドル…まだやりたかったんだろ」
「レイには本当にお見通しだね」
「見てたから分かるわい」
「アイドル、諦めきれてなかったみたい」

ぽつりと呟くとレイはまた頭を撫でてくれる。
あの日、アイドルを諦めようと決めた。
レイが守っててくれたのに

「A、無理はするなよ」
「大丈夫。アイドルもプロデューサーもやり遂げるよ」

夕暮れ教室、赤い瞳と緑の瞳が見つめ合う。