18曲目 ページ20
「ツカサ！そこ逆だよ！アラシ、ちょっと遅れてる！リツ、ちょっとよろけたでしょ！イズミはなんか怖いからいいや！レオ！そこフリにないやつでしょ！それは本番でやりな！」
「ちょっとAに話あるんだけど。なんで俺の時は言わないの」
Knightsのレッスンが始まって1時間くらいが経った。
Knightsも流石の強豪ユニット、実力は上。ひたすら歌って踊り続けてもらってじっくり観察をするけどそれはちょっと私が焦るだけ。
「はぁ…」
「どうした？A？」
「んー…弟たちがとても可愛くて悶えてるだけ」
「はぁ？真面目にレッスンしなよねぇ」
fineに加入した事も言えてない。fineの戦力になろうと無意識に頭の中で考えていた。ぶんぶんと首を振り顔をパンッと叩くとイズミとレオが慌てながら手を握ってきた。
「ちょっとぉ、A女の子なんだから顔大事にしなよ？！」
「A顔良いから叩いたらだめだろ？！」
「え何急に怖い。気合い入れただけなんだけど」
キョトンとしているとリツ、アラシ、ツカサも寄ってきていた。
どうやらいきなり気合い入れる為に叩いたのをびっくりして心配してくれたらしい。
「Aちゃん、頬真っ赤よ？」
「Aどんだけ力入れたの〜」
「いやそんなに力入れてないはずだけど」
「Aお姉さま…本当に頬が真っ赤ですよどんな力してらっしゃるのですか」
あまりにも心配されるので鏡を見るとたしかに人に叩かれたみたいに手形がくっきりしていた。これは心配されるに違いない。
「あー考え事で痛みも感じなかったんだと思う」
「しっかりしてよねぇ？とりあえず頬冷やしてきな、俺たちも休憩しとくから」
イズミに背中を押され無理矢理レッスン室から追い出された。
戻ってもガミガミとイズミに言われるだけなので仕方なく保健室に向かう。
「……天祥院はマシになったのかな」
保健室に居る天祥院の存在を思い出してピタッと足が止まる。冷やすのは別に保健室じゃなくても水道水でどうにかなる。
私は保健室に向かわずに近くの手洗い場へ向かった。
「おぉ…A、随分と頬が赤いのう？誰かに打たれたのか？」
欠伸をしながら赤い瞳が私に声をかけた。
「レイが起きてるの珍しいね」
「ワンコがあまりにもうるさいからのぅ、んで、その頬はどうしたんじゃ？」
「気合い入れるために頬叩いたら思ったより力入っちゃって手形付いちゃった」
「Aそんな力強かったかえ？」
苦笑しながらレイが近づいてきた
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作者名：ルナ | 作成日時：2022年4月16日 6時
