Queen【天祥院英智】 (ページ16)

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14曲目ページ16

「ねぇねぇ英智さま？この子だれ？」
「坊ちゃま、人に指を差すのはいけませんよ」

ピンク髪の小さい子に注意をする涙ボクロが特徴的な人。
その2人の前に座らされている。

「しかし、月永さまに似ていらっしゃいますね？」
「あー司んとこのリーダー？」
「桃李、弓弦、この子はAちゃん。今日から”fineのプロデューサー”かつ、”たまに出演してくれるアイドル”だよ」

ピンク髪と泣きボクロが驚いた顔で私を見る。
そりゃ”女”が”男性ユニット”のアイドルにたまにでも出演なんて有り得ない。

「えぇー？英智さま、こいつ女の子ですよね？」
「ですから坊ちゃま、指を差すのをおやめなさい」
「おやー？Aがここに居るのは珍しいですね？」
「あ、渉。Aちゃん昨日からfineだから」
「はい？」

後からレッスン室に入ってきワタルが珍しくキョトンとした顔で私と天祥院を交互に見ていた。

「A…英智の事嫌いなのによくfineへの加入しましたね？」
「”アイドルになれる”って言葉に眩んでよく見ずにfineに加入してしまったの、最悪すぎる。ワタルが居るから別にいいけど」
「うにゃ？！喋った！？」

入ってから一言も喋ってなく、今初めて喋ったのでピンク髪につんつんとつつかれた。

「Aちゃん口が悪い時があるけど桃李、仲良くしてあげてね？」
「英智さまが言うなら仕方ないけど…」
「天祥院、やめて気持ち悪い」

天祥院がすっと私の頭に手を乗せている。
ワタルがはいはいと私を天祥院から離すと話を続けた。

「Aがfine加入でしたら自己紹介とAの衣装を作らなければなりませんね？」
「Aちゃんの衣装ならもうあんずちゃんに頼んであるよ。3サイズだけ教えてAちゃんのとは言ってないけど」
「会長さま、それは少し坊ちゃまと見てくれている皆さんのイメージを崩す発言ですよ？」
「えっ弓弦！みんなってなに！？弓弦の発言もまぁまぁ怖いよ？！」

天祥院なぜ私の3サイズ知ってるの…シュウも知ってたから怖いけど。天祥院に引きつつもfine加入の署名をした事は事実なので諦めるしかない。

「はぁ……仕方ないか。改めて挨拶するね。私は月永A。言ってた通りKnightsのリーダー月永レオの実の姉だよ。訳あって留年、普通科からプロデュース科に編入してきた。よろしくね」
「まぁ、仕方ないから挨拶してあげる！ボクは姫宮桃李だよ」
「わたくしは伏見弓弦と申します」

こうして(強制的に)fineの一員になった。