1曲目 ページ2
「失礼します」
「おーA久しぶりだな」
「陣ちゃん」
「佐賀美先生だろ」
まだまだ暑い9月上旬。去年に起きた問題で普通科を停学になった私が久しぶりに学校にいる。
夏休み明けの時に私の編入の相談が職員でされていたらしく呼ばれた。
どうやら休んでる間にプロデュース科というものが出来たらしい。既に女の子が1人、在籍してると先生から話を聞いた。
「へー大変ですね女子1人って。でも凄い仕事の出来るいい子なんですよね？」
「そう、そうなんだよ。仕事出来るって言っても流石に1人で抱えすぎて倒れた時にもちろん俺とあきやんもサポートするけどもう1人いた方が安全だろ。そこでもう1人入れるとするならばAなんだよ」
佐賀美先生がじっと私を見つめる。
「なるほど、大体私を推薦した理由はわかりますけど私、アイドルと関わるのは……」
「それは無理だろ、弟アイドルだし」
「でも弟は……」
弟は海外に出かけてしまった。部屋にいたからもし帰ってきてたとしてもわからない。妹としか話せてない。
「弟の方ならもう復学してるぞ」
「え？」
「おいおいA、自分の弟の事なのに知らないのかよ」
「知らないよ！うそ、帰ってきてんの？！」
本当に知らないのかと先生が見つめてくる。と同時に先生は「あちゃー」という顔をした。なにやら問題が発生してるらしい。
「じゃー…Aは弟が自分のユニットを解散させること知らないのか？」
「ユニットを解散……？」
「新人と揉めて
「そう……なんですか」
私、お姉ちゃんなのに何も知らないなとちょっと苦しくなる。
そうか、解散するのか。アイドルとは関わりたくないと言ったものの弟がユニット解散させてアイドルをしてる姿を見れなくなると思うとなんとも言えない気持ちになる。やっぱりあの事でなにかあったのかもしれない。もし本当に解散なのであれば見ておきたい。でも……
「…ライブは来週講堂で行われる。久々に今の夢ノ咲のアイドル、弟を見に行ったらどうだ？袖から見るのも別にいいぞ」
「……ありがとう考えてみる」
来週……絶対に見に行ってその時考えよう
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作者名：ルナ | 作成日時：2022年4月16日 6時
