ワンコな黄瀬くんは夫であり2児のパパとなりました【黄瀬涼太】

運動会 ページ17

『おい、涼太。早くしろ。』
「Aっち待ってー！」
「パパ、早くー！」
全く、あいつは…今日は琴葉の運動会だ。
涼太と私に似て琴葉は運動神経が良い。
それを言うと、琴音もなんだけどな…。
琴音も口癖があり
【やっても出来ちゃうからつまらない】
だった。
それを聞いて、涼太は顔を両手で覆っていたから一応痛い事を言ってしまったという自覚はあったんだな…と、それだけでも成長を感じた。
そして、厨二発言と黒歴史の塊である赤司は今や
大手次期社長だがあの頃の事についてはノーコメントと言っていた。
俺に勝てるのは俺だけだ発言してた奴も今では黒歴史だそうだ。
皆んな、自覚があって何よりだと私とさつきちゃんは冷めた目で見つめていた。
おっと…それより、運動会だった。
琴葉の運動会を応援しながら思う。
私にも…こんな風に応援してもらっていたのだろうか？もう、顔も思い出せない両親と手を繋いで笑って歩いたのだろうか…。
《次は、親子二人三脚です！保護者の方は準備をお願いします。》
琴音は一人にできないから、先生に預かってもらった。
この二人と並ぶと自分の顔がいかに日本人！と思わせる顔をしているかが分かる。目だけは両親のどちらかは忘れたがそこだけはクォーターっぽい目をしている。
それ以外は、身長も高校で止まったしな…。
そして、俳優と言う事で涼太はカメラを沢山向けられていた。
まぁ…黙っていればかっこいい旦那だと思う。
【黙っていれば】だ。
二人三脚は私達が1位で軍を抜いて早かったと思う。
その時、ふと思い出した。
『そう言えば、涼太も昔青峰くんとペアで走ってたよな？』
「そんな事あったっスねー。懐かしいっス！」
『当時は、ホモデルかと思った。』
「違うっスよー…。」
その後も注目されていると言うのに、涼太のカメラ撮影は止まる事がなかった。
「一生の宝物っス。これで、琴葉がお嫁さんに行ったら毎日見てるっス」
『やめとけ。既に嫌われてるが、もっと嫌われるぞ。』
「琴葉お姉ちゃん！」ぎゅーっ
『一番止めそうなのは琴音だがな…。』
それでも、もう顔も思い出せない両親が短い間だが私に愛情を注いでくれたように私達は長い年月をかけて琴葉と琴音に愛情を注いでいこう。

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