【呪術廻戦】高専辞めたら先輩病んでた【男主】 (ページ2)

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二歩ページ2

五条悟。

ルックスにも能力にも恵まれた所謂__天才。

呪術高専三年生で、最強という肩書きを持つ男。

対して、

斎藤零(Saitou Ray)。

呪術高専二年。黒い髪に黒い瞳。

身体能力、技量、術式、全てにおいて平凡らしい。

らしい、と他人事なのは先輩からそう言われたからだ。
いや、平凡と言われる時もあるが、
クズ、ゴミ、カスなどと言われる時もあったから、
果たして「平凡」という単語一つで良いのか。

俺には分からない。

まぁ、なんにせよ、

俺は先輩の足元にも及ばない。

「なんだよ、お前まだ居たのかよ」

『…』

廊下ですれ違う時に、言われた一言。

キラキラと輝く白い糸。

サングラスで隠れているが、
それ越しにもわかる青い瞳。

自分の先輩。五条悟。

俺は、正直この人が苦手だ。

だって、自分と正反対だから。
根本的に合わない。合っちゃっいけない人。

彼は俺を見ると盛大にため息をつく。

「さっさと出てけよな〜まじで。
邪魔なのわかんないの？」

『…さぁ』

なんて答えていいのか分からず、適当に返す。

先輩は初めて会った時から、
俺に罵倒を浴びせてくる。

何故だかは分からない。

でも、多分きっと、

俺の何かが気に食わないのだろう。

言い返す気力はない。

というか、最初は訳が分からず、
『はぁ？』とか『なんでだよ』とか返してたけど、
倍で罵られたからもうやめた。抵抗しない方がいい。

ただ、過ぎるのを待つだけ。

「…あー、朝からお前の顔見るとか最ッ悪。
吐き気してきた。朝食吐いたらどうしてくれんの？
気持ち悪ッ…オ＂ッエーーー……！」

『…すみませんね』

大きく口を開けて、
べぇっと舌をだす先輩にイライラする。

でも、めんどくさい事は嫌なので、
悟られないように細心の注意をはらう。

「…はぁ、時間の無駄。まじで。
目障りだから視界から消えてくんない？」

『…失礼します』

そう言われて、やっと止めていた足を動かす。
毎日俺に構うなんて、暇なのかな。
それとも、そんなに俺って邪魔なのかな。

いらないのかな。

まぁ、確かに、自分の存在価値なんて、
あるとは思わない。

俺が居なくなって、
何か世界に影響はありますか？

答えはノーだ。

何も変わらない。

少し揺らいだ周囲の人間だって、
少し経てば「あぁ、そんな奴もいたな」と
軽く流す程度の存在になる。所詮そんなもんだ。

俺がいなくたって、何も変わらないのだ。