* ページ11
日にちはゆっくりだけど
徐々に過ぎて行って
ついに卒業式の日
式が終わって皆教室で別れを名残惜しんで
なかなか帰らない
『うらた・・・今までありがとう!
やっと書けたよ。今から下駄箱入れてくる』
真っ白な封筒を大事そうに
頬を赤らめながら持つA
ああ・・・これで終わるんだ。
「好き・・・」
『ん?なんか言った?』
「あ、や、頑張れよっ!」
『うん!じゃあねー!!』
教室から出ていく彼女の後ろ姿
何言ってんだよ・・・隠すって決めたのに
やっぱり無理だ。俺はAが好き
「うぐっ・・・」
鍵が弾け飛んで涙が溢れてくる
俺は皆が写真を撮ったり最後の思い出を作る中
教室の隅で独りで声を押し殺して泣き続けた
「あれ・・・何時だ?」
いつの間に泣き疲れて寝てしまっていて
教室には俺1人だけになっていた
A・・・上手くいったのかな?
「帰ろ。」
教室を出て下駄箱に行き自分の所を開けると
靴の上には1通の手紙が置かれていた
「え・・・」
【うらたへ
長いって怒られるから伝えたい事だけ書くね
ずっとうらたが大好きだよ。】
癖のある見馴れた丸っこい字
「ばーか・・・差出人の名前書いてないと
誰からか分かんないだろww」
俺は手紙を片手に走り出した
大好きな彼女に想いを伝えるために___
41人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ