【黒子のバスケ】推しに沸いたら悪役になった (ページ7)

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7.強運すぎるねページ7

やばい…。
入学式から1夜。
赤司君と随分仲良くなってしまった。
私の遠目からキセキを眺めてうふふって和むライフが壊れかけているではないか。
でも、推しに、推しにぃ…。

頭の中で赤司君の顔を思い浮かべる。
優しくて、かっこよくて。
ほうっとため息をついてしまう。

「…さっきから暗い顔してるけど大丈夫？」

心配そうな表情で私の顔を覗き込む小町。
うん、今日も可愛い。

今は幼馴染の花房小町と登校中である。
お互いマイペースでずっと隣にいることもあり会話はあまりしないのだが、小町と時間を共有できることが幸せなので、個人的に好きな時間だ。

「あはは…大丈夫、多分…」

情けない声をだして苦笑いをすると

「ええ！なにかあったらいつでも相談してね！」

私の手を包み、眉を下げ、目を潤ませる。
幻覚か彼女のオプションか、キラキラしたものが小町の顔周りを取り囲む。

ありがとうとお礼を言ってひらひら手を振ると小町は少し心配そうな表情をしてからも、すぐに笑顔になった。

教室に入ると、赤司くんはもう来ていて静かに本を読んでいた。
その姿だけでも様になっていて、クラスの女の子達もじーっと赤司君を見つめていた。
話しかけないのは多分彼がお金持ちだから。
話しかけづらいよなあ、と確証もないくせにクラスメイトに共感しながら席に着く。

「あ、おはよう」

赤司君、そう易々と話しかけないでくれ。

「あ、うん、おはよう」

まあ当たり前に返すのだが。

「そういえば、今日は委員会とか決めるらしいけど、白雪さんは何に入るかとか決めてるのかい？」

笑顔が眩しい。
ただ微笑みを浮かべているだけなのに。

「うーん、図書委員…かな？」

実は私、前世では小学生からずーっと図書委員だった。
時にはジャンケンをして、時にはくじ引きを引いて。
今思い返せえばめちゃくちゃ運がいい気がする、私。
ちなみに赤司君には意外だ、と言われた。
どういう意味だ。

そして迎えた委員会決め。
前世の方の中学では図書委員はとても人気でのく勝つためのおまじないのようなものをやっていた。

「図書委員をやりたい人」

手をあげると私1人と少し後ろの席にいる男子生徒1人。
委員会は男女1人ずつだからちょうどだ。
心の中で歓喜をして微笑むと赤司君が良かったじゃないかって笑ってくれた。それな。

だが、この図書委員に入ることが、後に私を。

私を──。