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6.握手なんておこがましいな ページ6

「うっ」

わあ…顔がいい…。

危ない危ない。
心の声が盛れてしまいそうだった。
色白でさらさらな肌。
透き通った真っ赤な目に艶やかな赤色の髪。
会いたくて会いたくて仕方がなかった人が目の前にいることがやっぱり信じれなくなって夢見心地になる。

「俺は赤司征十郎、白雪Aさんだよね、よろしく」

にこりと爽やかな笑み。
ズルすぎる。
思わず顔面を手のひらで抑えると、えっと小さい声が漏れた。

「ご、ごめんね、ちょっとこっちにも色々事情がありまして…」

あははと意味のわからない誤魔化し方をする。
こちらこそよろしくと言うと手を差し出された。

これは…お手ということかな?
そうだよね…?
だって頭が高いもんね、うん。

ぽんと無理やりにでも彼の手のひらに私の手を置いてお手の形にする。

「は?」

「え?」

沈黙が訪れた。

「えーっと、握手…なんだけど…」

あ、あ、あ、握手だと…!
そんな馬鹿な。
私が彼と握手?
神様、私は前世で知らぬ間に世界でも救っていたんでしょうか?
ありがとうございます、神様大好き。

「あ、ご、ごめん、つい」

「つ、つい?」

「まあなんでもないから!うん!大丈夫!」

胸の前で手を振る。
なんだついって、変な家庭とか思われたかもしれない。
自分の語彙力の無さに自己嫌悪に浸っていると赤司君の肩が揺れているのに気づいた。
そ、そういえば…私まだ握手してなかった気がする…。

もしかして怒った?
あ、いやでもまだ俺司のほうだよね、だから優しいよね…?
あ、でも怒られてもい…いやいやいや私はなんて邪なことを…。

「くふっ、あはは」

は…?
首がちぎれんばかりの勢いで彼の方を見るとまさかの笑い声。
目を細めて上品そうに笑ってる。

「え、ちょ、え?」

怒られると密かに思っていたので予想外の赤司君の行動と、顔の良さにたじろぐ。
ひとしきり笑ったところか、ごめんごめんと平謝りして深呼吸した後

「初めてだったから、俺を見てこんな反応する人」

まだ面白いのかクスッと笑う。
そしてもう一度手を差し出して

「改めてよろしく」

強引に私の手を取り握手をした。

7.強運すぎるね→←5.やっぱ1番は赤色なんだな



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設定タグ:黒子のバスケ , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
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- 凄く面白いです!更新頑張ってください! (2020年11月20日 16時) (レス) id: e6de3d2e77 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しお | 作成日時:2020年7月5日 18時

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