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16.完全無欠のポーション ページ16

着替え終わり、ついに帰宅…なんてことは無かった。
部誌があるらしい。
1年生の間だけだけどねと小町が笑いかける。
それでも疲れている私。
ええ、と小さく嫌悪の声を上げてしまう。

「だよね〜、Aはきっと疲れてるから先帰っててもいいよ」

ありがたい…。
申し訳ないけど疲労の方が勝っている。
優しい父と母の笑顔と温かいご飯がこんなにも恋しいのは数年ぶりだ。

「ありがとう…」

「うんっ!」

パタリと部室のドアを閉めて、外へと出る。
部室は窓が小さく、しかも一つしか無いので蒸し暑い。
そのため、暑いはずの外が涼しく感じられる。

時計の針は六時頃を指しているのに日が明るいことに夏を感じる。
このまま帰ってしまうのも小町を残した罪悪感と疲労感が許してくれず、近くのベンチに腰をかけた。

「お疲れ様」

ふう、と大きく息を着いた時だった。
校舎から出てきた彼に目を見開く。

「赤司君」

声をかけると、私の隣に座った彼は小さく微笑んで言った。

「その様子じゃ、お疲れのようだね」

「ほんとにね」

少し大きめのため息をつくとはははと声を上げて笑われる。

「笑い事じゃない」

こんなに辛いとか思ってなかった…そう椅子にもたれ掛かると、ピタリと頬に冷たい刺激が訪れた。
驚いて赤司君を見ると優しげな笑顔。
待って、これは。これは。

「ご褒美さ」

私、今日が命日だったりするのだろうか。
彼からスポーツドリンクを受け取る。
あ、ダメだ。
ニヤけるの我慢できない。

「白雪?」

「…な"、なんでもない」

不思議な顔をされたが本当になんにもないのだ。
ほっといてくれ。

「じゃあ俺ははそろそろ帰るよ」

「あ、うん」

鞄を肩にかけ直す彼に小さく手を振る。
帰り際、「一緒に帰るかい?」と聞かれ、推しと帰宅という欲望に負けそうになったが遠慮しておいた。

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作品を読んで下さる皆様、いつもありがとうございます。
なんと、4話と5話が全く同じ内容だったということに今気づき、修正しました…。
ほんとに申し訳ない。
他にも読みにくいところがあると思いますが、目を瞑ってくださると…何卒…。

17.主人公は序章→←15.仮止めアルコバレーノ



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設定タグ:黒子のバスケ , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
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- 凄く面白いです!更新頑張ってください! (2020年11月20日 16時) (レス) id: e6de3d2e77 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しお | 作成日時:2020年7月5日 18時

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