王子様は知っている【探偵チームＫＺ事件ノート】 (ページ15)

今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:43,082 hit

うっとおしいねん・・・ページ15

『なあ、相談したいことがあるんやけど』

学校から帰ってすぐ、自室に行き電話をかける。
するとコール音がして数秒後、その声が聞こえてきた。

「・・っ⁉おおっ、有佐か！えらい、久しぶりやなあ！」

引っ越したきり、連絡しなかったせいか、ものすごく驚かれた。
まだ学校にいるのか、耳にチャイムの音と周りの人のざわめきが入ってくる。

彼は俺が前におった学校の友人。
俺の家はいわゆる転勤族っちゅーやつで、よう転校を繰り返してきた。

せやから、いちいち仲良しこよしするんもしんどいし、あんま馴れ合わんようにしとった。
けど、友人はそんな俺にむっちゃ話しかけてきて、自分の入っとるテニス部興味ないか？見学せえへんか？とかいろいろ言ってきた。

あとから聞いたら、一人で心細いか思うて心配だったらしい。
大きなお世話や。そう思ったけど、真っ直ぐでオカンや思うくらいお人好しで優しい。

そんな性格やからか、俺はいつの間にか、そいつと仲ようなっとった。
ほんで、そいつのテニス部員も同じくらい全員明るうて、転校するまでずっと仲ようしとったわ。

「お前が泡のように知らん間にトンズラこいたせいで、皆パニックになっとったんやで。

唯一、連絡先知っとん俺だけやから、早う電話せえ！ってせかされて、電話しても出えへんし・・・」

『それはすまんかったな・・・』

引っ越しのあと、むっちゃ兄貴から電話やらメールやらかかってきて、しつこいから電話ぶん投げてしもうて、携帯壊したんよな・・←

ほんで、スマホに変えたけど、そういや電話登録するん忘れとったわ・・・いやあ、申し訳ない。

けど言い訳させてもらうと・・・

「また引っ越ししたらしいけど大丈夫⁉」「ちゃんと友達できた⁉赤也以外の友達できたの⁉」

「返事ないけど、ご飯ちゃんと食べてる？お兄ちゃん心配です。」「俺がいなくても起きれるかい？なんなら、電話で起こしてあげようか？」

こんなんばっかり頻繁にメールしてくるんやで。そら、川に落としてまうわ・・・

ほんまに、兄貴むっちゃ、うっとおしいねん・・←