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ヒロイン!144 うらたside ページ5

天月とかいうやつと皆が言い争い始めたくらいで、頭を抑え苦しんでいたヴァンプが急にぐたりと力を抜いた。

う「…ヴァンプ?」

脈はちゃんとある、息もしてる。なのに、死んでるみたいに全身の力が抜けていた。

とりあえずガードを貼りながら部屋の隅へ移動する。

天月は皆をおちょくりながら、時々チラリとこっちを見ている。

その視線には多少の不快感を感じた。

それから、多分数分たったとき、だと思う。

ヴァンプがそっと目を開けた。

う「ゔぁ、んぷ…?」

驚きすぎて変な声が出た。

ヴァンプは紐か何かに引っ張られているみたいに頭を後ろに傾けたまま胸から起き上がる。その動きはまるで、幽霊とかお化けとかそうゆう類のものに近かった。

そのまま天月の方へとゆっくり足を踏み出していく。

天「…お薬が効いたみたいだね、良かったよA。」

…お薬?

お薬って…。

そ「お前まさか…っ。」

そらるさんが天月に向かって殴りかかろうとしたその手をヴァンプが掴む。

ヴァンプはそらるさんを掴んでいない方の手でそうっと天月の胸板を撫でた。

「ふふ、あは、ふっ。」

天月からすうっとコウモリが飛び立ちヴァンプに吸い込まれる。

ヴァンプはどこか堪えるように笑っている。

「駒になれ、人間。」

すると、ヴァンプはぎゅっとそらるさんに抱きついて耳元に口を寄せた。

唇が動いて、それで、そのままそらるさんの首へと滑った。

ま「なっ、なにして、」

そらるさんの首から、一筋血が流れた。

真っ赤に染まるヴァンプの唇が、どこまでもサディスティックに艶めいた。

「そらるさん、ばーん。」

ヴァンプがそらるさんに向けてそう言うと、そらるさんは壁の方を向いて水銃を撃った。

なにが起こってるかわからなかった。

いや、この状況がなんなのか分かってる人なんていないだろう。天月、そして当事者のヴァンプ以外は。

ヴァンプはまた天月に擦り寄る。

「くだらない『正義の味方(ヒーロー)ごっこ』なんてもう終わらせよう?ねぇ、天月。」

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瀬名 - 手の込んだストーリーで楽しませて貰いました!更新楽しみにしています (2022年1月17日 20時) (レス) @page33 id: 98687f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
- 初コメです。ものすごく面白かったです! 更新楽しみにしてます!! (2020年6月8日 20時) (レス) id: 72e374ec6b (このIDを非表示/違反報告)
神木(プロフ) - 更新再開!?今年いちばんの嬉しい出来事です!! (2020年4月13日 19時) (レス) id: ded004bcdf (このIDを非表示/違反報告)
とろんぼーん(プロフ) - うわああぁぁ更新再開嬉しすぎます…!コメ欄の下の方にいるりょうかの別垢です…笑 更新楽しみにしてます…! (2020年3月31日 10時) (レス) id: a6d44952a8 (このIDを非表示/違反報告)
癒亜(プロフ) - 更新再開ありがとうございます!この作品大好きなので嬉しいです!これからも無理せず、更新頑張ってください、! (2020年2月3日 8時) (レス) id: 28593f1c0e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神咲のあ | 作成日時:2018年4月22日 20時

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