ヒーローがログインしました！season3【歌い手】

ヒロイン！１２６ ページ36

天月は私の言葉を聞くと、部屋から出て行ってしまった。

さて、ここからどうにか脱出できないものか…とあたりに視線を彷徨わせるけど、その前に手と足が枷につながれていて何かあったとしても逃げられそうにない。

厄介だなぁほんと。

せめて私がそらるさんやまふまふさん、るすさん、坂田さんみたいに攻撃できるスキルを持っていれば。

せめてEveさんみたいに相手の隙を作るスキルを持っていれば。

せめてうらたさんみたいに、身を守るスキルを持っていれば…。

ないものねだり。わかってる。わかってるんだけど。あればここから逃げられるんじゃないかって思ってしまう。

誰かの血がないと成り立ちもしないこの力が、無力に感じて。

「なーにが『期待の新星』だよ。」

一応手枷から手を抜こうともがいてみるも、逆に手首が外れそうでやめた。

情けなくて涙が出る。

？「随分情けない姿じゃない。」

扉が開く音で顔を上げると、そこには姫さんがいた。

姫「あーむかつく。あんたのせいで警察に捕まったじゃない。ありえないんだけど。」

いやそれ私のせいじゃないし。

なんでこんなとこに姫さんがいるの。

姫「天月くんの幼馴染…いえ、獲物だったんですって？
私が彼と協力するなら刑務所から出した上に特別部隊にまたもどしてくれるって契約持ちかけてきたから乗ってみれば。またアンタの顔見なきゃいけないなんて。」

つまり脱獄？出所？どっちでもいいけど。

警察ってちゃんと仕事してる？

大丈夫？

そらるさんが本当に姫さんのせいで仕事大変そうだったのを知っているからこそ、ものすごくイラっとした。

「ふざけんなよブス。」

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