ヒーローがログインしました！season3【歌い手】

ヒロイン！１２７ ページ37

「ふざけんなよブス。」

私の言葉を受けて、姫さんは急に笑い始めた。

なにこいつ。なにがそんなにおかしいの。むかつくんだけど。

姫「なに怒ってんの？うけるんですけどー！
普段から気持ち悪いくらいニコニコしてるくせに。
戦場行ったって、無表情で強い男1人倒して平然としてたくせに。
特別部隊の人たちなんて、足手まといとでも思ってるんじゃないのー？」

下卑た笑い。

性格が人をブスにするって本当なんだな。

初めて会ったときの姫さんはこんなにブスじゃなかった。

今は本当にブスだ。顔が歪んでる。せめてちゃんとゲラゲラ笑えばいいのに、ニタァって気持ち悪い笑い方してるし。

てかなに。私別に特別部隊の人たちが足手まといなんて一回も言ったことないし。Eveさん倒した後も別に平然となんてしてなかったよね？

なんていうか。ほんとに。

姫「なんか言い返せば？」

ヒーローの力なんて望んで手に入れたものじゃない。

むしろこの力があることで命を狙われたり、幼馴染に冷たい目で見られたりするなら、いらないって思う。

この力がなければ、特別部隊の人たちと出会うことなんてなかった。なかったけど。

こんなに人の汚い部分を見てしまうなら、やっぱりこんな力最初からいらなかった。

「そらるさんが貴方のせいで仕事に追われてたのって知ってる？」

そう聞くと姫さんは大きく頷いた。

姫「アンタがいなかったら、そんなことにはならなかったのにね。かわいそうなそらるさん。」

ああ、分かり合えない。汚い、人間。

戦場に転がってたぐちゃぐちゃの兵士なんか比にならないくらい。

「そう。」

もう姫さんと話すことなんてなにもない。

なに言われたってどうでもいい。

私はこの人のことを一生好きになれない。

ずきずきっと右目が痛んだ。

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