ヒーローがログインしました！season3【歌い手】

ヒロイン！１１５ うらたside ページ24

空想管理局で『義務教育機関への入学方法』や『ヒーローの判別方法』という本を借りて読んではみたけれど、どれも今知りたいことは書いてなさそうだった。

そもそもあいつの戸籍はいつ消されたんだ…？

ヴァンプはバカには見えない。

むしろその逆で、なかなかに聡い子に見える。

戸籍がないと学校にはいけないが…もしかしたら何か裏の手があって戸籍なしでも学校に行けていたのではとも考えた。

もちろんそんなことが書籍にまとめられているわけもない。調べたのはダメ元だ。

う「俺の持ってる常識じゃあいつがなんでここにいるのか一切判別がつかない…。」

あいつ謎の存在すぎるだろ。

本人に直接聞くのが1番早いんだろうけど、本人だって何も知らない可能性が高い。

変に不安を煽るのは正直避けたいし。…姫のこともあったから。

あいつのこと全部知らなきゃ信頼できないって思ってるわけじゃない。むしろ逆、ちゃんと仲間として信頼しているからこそ知りたい。

あいつの力のことだって正直よくわからないし。

聞いたことも見たこともない力だけど…もし似たような力を持っている人がいたなら、ヒントになりそうな資料があるはずなんだよな。探した感じじゃ見当たらなかったけど。

まふとか…そんなかんじの資料知らないかな。一応空想管理局職員だし。

いやでもあんまりちゃんとこっちの仕事してないらしいから不安だけど…。蔵書には詳しいはず。よほどの機密とかじゃなければ普通に教えてくれるはず。

う「やっべもうこんな時間！」

ふと時計を見ると軽く遅刻しそうな時間だった。

大切なオペがあるからヴァンプの診察もわざわざ早めたのに何してんだほんと。

とりあえず借りた本を返却ボックスの中に入れる。

う「少しだけ職権乱用かもしれないけどっ」

ぱちんっと特別部隊のバッジを弾くと空中に職場の写真が投影される。

走って玄関まで出ると、高速タクシーがきていた。

特別部隊はその忙しさから高速タクシーが無料で使える。もちろんそんなの頻繁に使ったらせっかく副業して身分を隠している意味もなくなってしまうので極力使わないが。

飛び乗るとすぐにタクシーが発車し、３分ほどで職場に着いた。

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